生活保護以下の収入で子育てをしている世帯が、過去20年で倍増している現実が、山形大学の戸室健作准教授の研究調査にて明らかになりました。
結果、生活保護の受給対象になる最低生活費以下の収入、かつ17歳以下の子どものいる世帯数は、20年前の5.2%から、13.8%に悪化し、2012年度には146万世帯にも上ることに。
都道府県別でみると、貧困率ベスト5は、
1.沖縄県
2.大阪府
3.鹿児島県
4.福岡県
5.北海道
と、特に、西日本を中心に、貧困率が増加し、深刻化している現状が。
また、戸室准教授の調査方法は、貧困に実態に近づけるように、都道府県や世帯人数などによって異なる最低生活費に基づいて算出したものであり、実態に近い数値であるようです。
例えば、義務教育で無償であるはずの福岡市のある公立中学校で入学時に、実際にかかる保護者負担金は、男の子で11万2,972円、女の子で12万1,572円とのこと。この内訳は、学校に着ていく制服、運動着、通学かばん、校納金(テスト代など)だそう。就学援助という制度はあるが、支給額48,000円の為、現実には4割しか賄えないのが現状。
さらに、部活に入れば、野球部などは、スパイクやグラブなどで、初年度に15万円かかるとのこと。公立校であっても、この出費の負担は、とても大きく、各家庭の懐事情によって、学びの格差が生じているとのことです。
戸室准教授は、「貧困率の高位平準化が進んでいる。国が率先して対策を進めることが重要で、生活保護費を全額国庫負担にすべきだ」と提言されています。
Photo BY Colin J