妊娠から出産、子育てと、ママさんにとっては、はじめてのことばかり。
しかも、ご両親と遠く離れて子育てをしている家庭も多く、肝心のパパさんは深夜遅くまで仕事とくる。シングルマザーの方はもちろんですが、結果、ママさんひとりで、日々、悪戦苦闘しながら育てている方も多いのが現状です。
そんな現状をなんとかしようと、ようやく国も動き出しました。
昨年度から、北欧フィンランドの子育て支援制度「ネウボラ」を参考モデルとして、妊娠・出産・育児包括支援システムである「子育て世代包括支援センター」を、千葉県浦安市や宮崎市など29市町村でスタート。その取り組みを、今年度中に、150市町村に、5年後には、全国展開を目指しているそうです。
では、参考にしている、北欧フィンランドの子育て支援制度「ネウボラ」って?
それは、国内すべての市町村に置かれている、かかりつけの保健師や助産師が、妊娠中から子どもの就学に至るまで継続して、無料でサポートしていくという仕組みです。
妊娠中から、ネウボラで妊婦健診や両親学級を受け、出産時には、先日も紹介した、段ボールで出来た育児パッケージボックスが贈られます。(鹿児島県日置市では、このマタニティーボックスの無料配布も予定されています)そして、出産後には、乳幼児健診や予防接種など、子どもが小学校に上がるまで定期的に通うところになります。そして、ここがポイントで、常に同じ担当者が育児や家庭の悩みに耳を傾け、父親や兄弟との面談なども行います。
結果、妊婦の利用率は99・8%。この仕組みは、結果、家庭の状況を早期に把握できるので、孤立化や産後うつ、虐待の防止にも、役立っているそうです。
13年度の厚生労働省の発表でも、子どもの虐待死の中でも0歳児が4割以上を占めているとのこと。
連日、子どもの虐待死という悲報が相次ぐ現在、少しでも、こういった取組みが役立ってくれることを願うばかりです。
ネウボラという支援制度の肝は、どれだけ、育児に大変なママさんに寄り添い支援していけるかがポイント。未来をつくっていく子どもたちは、国の社会の財産です。このような、せっかくの取り組みも、結果、支援拠点を設けただけになることも多いですが、是非、有効に機能できる仕組みになってほしいですね。
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PHOTO BY erizof
出典 西日本新聞