紙おむつのパッケージ写真にうつっている、上半身裸の幼児に「乳首が消される加工がされているのでは?」という憶測がネットで広まり、話題になりました。
●「事情があって乳首が消されてる」?憶測が拡散される
話題になったのは、スーパー大手のイオンが販売する乳幼児用の紙おむつのパッケージ写真。
幼児の乳首が「加工で不自然に消されている?」とツイッターに投稿され、またたくまに拡散。
ツイートを受けて、他の人からも
「事情があって消してるんだろうけど、なんか不気味」
「これも(児童ポルノの)単純所持で規制対象なんですかね」
など、自主規制を疑う意見も投稿されるようになりました。
●イオンは加工を否定「よく見ると乳首は写ってますよ」
問い合わせに対し、販売元の『イオンリテール』担当者は乳首を消す加工は否定。
「よく見ると乳首は写っていますよ」
「キレイに見せるために一般的なモデル写真と同じように画像処理をしているだけで、特段の問題があるとは思っていません」
との回答があり、よくよく確認すると、薄い肌色の乳首らしき点が確認されるようです。
モデルのグラビア写真などで、画像を加工して、ほくろやしわなどを極端に薄くして、肌をキレイに見せるための手法と同じようです。
●赤ちゃんの画像と児童ポルノの境界線は?
では、上半身裸の赤ちゃんが写っている画像は、児童ポルノになるのか?
甲南大法科大学院教授によると「裸だから児童ポルノとはいえない」と見解を述べます。
児童買春・児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを、以下の3ついずれかに当てはまるケースだと定義しています。
(1)「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態」
(2)「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」
(3)「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」
…なんだか難しいですね。
つまるところ「性欲を興奮させるかどうか」が、カギとなるそうです。
つまり上半身が裸なだけでは児童ポルノにはなりません。
実際に、現在も、テレビ番組や広告で上半身裸の男女の赤ちゃんはよく登場します。
しかし「性欲を興奮させるか刺激」することで初めて、児童ポルノとみなされるそうです。
ここでいう性欲とは、一般的な成人の感覚であり、小児性愛者の歪んだ感覚とは一線を画します。
乳幼児の裸の姿は、赤ちゃんのかわいらしさや、幼児のほほえましい体型など、愛らしさが伝わる象徴でもあります。
しかし最近はネットでの自主規制も多様化してきて、誤解を招かない対策が必要になってきているといえそうです。
<出典>
http://withnews.jp/