産後クライシスとは、出産をした後に夫婦仲が悪くなってしまうという現象です。
『子はかすがい』とも言いますから、子どもが生まれればより一層夫婦の絆が深まるはずと考える方も多いでしょう。
しかし、実際には子どもが生まれることで、仲が悪くなってしまう夫婦はとても多いのです。
産後クライシスの原因は、一節には母親が子どもを守る本能によって気性が荒くなり、それが夫にも向けられるからと考えられています。
ただ、これはもっともらしい後付けの理由で、実はパパが子どもの育児に参加しない、母親の精神面や体力のサポートをしないということが大きく関係していると言われています。
ママは子どもが生まれたら生活が激変します。自分の睡眠も体力も削って、産後のぼろぼろの体で、慣れない生活に精神的限界を感じながらも、子育てと家事に向き合います。
妊娠前は当たり前にできていた趣味や息抜きができないのはもちろん、行きたい時にトイレに行く、という当然の生理的欲求まで後回しになってしまうことが少なくありません。
それでもママは子育ても家事もとすべてを頑張りますが、男性はパパになったという自覚が芽生えにくく、子どもが生まれた後も生活をあまり変えようとしない人が多いようです。
パパも親なのに、子育ても手伝わず家事もしないで、仕事の付き合いで飲みに行く、休みの日は遅くまで寝ているというような無自覚な行動を取ったりします。
この子育てや家族というものに対する意識のすれ違いが、産後クライシスの一番の原因と言えます。
ですので、産後クライシスが終わるか終わらないかは、パパがすべてをママに丸投げしていることに気がつくかどうかで決まります。
パパが気づいて、子育てを手伝ったり、ママのサポートをできるようになれば、産後クライシスもその分早く終わります。
逆に、ママが背負う負担に気がつかなければ、産後クライシスはずっと続きますし、ママの心に数十年先まで恨みがくすぶり続け、熟年離婚に繋がることもあるのですね。
これを防ぐには、出産後から子育てに関しての役割分担を決めておくことが大事なので、ママは「自分が全部やるのは当たり前」と思わずパパにも育児や家事のサポートをしてもらいましょう。
Photo by Francisco Osorio