●川島なお美さん、がんのため死去
女優の川島なお美さんが9月24日に胆管がんのため亡くなり、早すぎる最期を惜しむ声が寄せられています。
直前まで舞台に立ち、つい先日メディアに出演した際は、激痩せしたと病状を心配されていましたが、凛とした受け答えをしており、「まさかこんなに早くお別れになるとは」と驚く人が多かったようです。
●息子と5年後も生きていたいから
また先日、乳がんであることを公表したタレントの北斗晶さん。9月24日に右乳房全摘出手術を受けました。
毎年乳がん検診を受けていたのに、自分で異変に気づいた時はすでにがんが進行していたとのことです。
がんの早期発見の難しさと、進行の速さを再認識させられます。
自身のブログでも、息子さんたちやご主人に触れ「私は愛する子供達の白髪の生えた顔が見たい」、ドクターの「今は5年先、10年先、生きることを考えましょう。」という言葉で手術を決意したと述べています。
●5歳の娘を残して…33歳ママ死去
子育て中のママのがんと言えば、少し前に話題になった「はなちゃんのみそ汁」という本がありました。
乳がんを発症したママが、残りわずかな余命のなかで、5歳の娘に残せることとして、みそ汁の作り方を教えた、という実話です。
毎朝かつお節を削ってからダシをとるという本格的なものです。このレシピを伝授した後、ママは33歳でこの世を去るのです。
幼いわが子を残して死ぬのは、どれだけ心残りだったでしょう。
ママ自身も、残された子どもや家族の気持ちも、はかりきれません。
そんな思いをさせないために、できることはないのでしょうか?
●日本人の3人に1人はがんで亡くなる
ご存知の方も多いと思いますが、日本人の死因の1位が、がんです。毎年ほぼ3人に1人はがんで亡くなっています。
発症したけど早期治療で助かった人も含めると、もっと多くの人ががんを経験しているのです。
<日本人の死因>
(平成19年人口動態統計確定数より)
<出典:PET検査ネット>
●若い人は手遅れになりやすい
若い人はがんの発症が少ないと思われていますが、一度発症すると、お年寄りに比べて新陳代謝が活発なので、あっという間にがんが進行してしまうのが特徴です。
そのため気づいた時には手遅れだった、がんを発症してすぐに末期になり亡くなってしまう、というケースが多いのです。
●子どもを残して死ねない!
特に子育て中のママたちは、子どもや家族の世話に気を取られていて、自分の健康が後回しになってしまうことが多く、がんの発見が遅れる傾向があります。
発見できても、若いため、あっという間にがんが進行・転移しやすいのです。
死んでも死にきれない思いを抱えながら、成人前の子どもたちを残し、亡くなっていくママたちがたくさんいます。
「闘病でげっそり痩せたママが怖くて近づけなかった」と、ママの死後も後悔を抱え続ける子どもも少なくありません。
●早期発見すれば怖くない~
忙しいママたちこそ「がん検診」忘れないで
がんは早期発見がカギになります。
早く見つけて早期治療すれば治ることも多いのです。
◇毎年、検診をうけるようにしましょう。
子どもを預けてでも、無理ならもちろん連れたままで大丈夫。子宮がん検診や乳がん検診などは自治体によって無料チケットを配布しています。面倒と思わずに病院へ足を運びましょう。
◇自宅で普段から自己チェックをしましょう。
子育てで自分を顧みる余裕もないと思いますが、お風呂の鏡で全身を見てみる、自分であちこち触って確認するなど、正常な状態を把握しておくことも大切です。
◇異変を感じたらすぐ病院で見てもらいましょう。
検査結果に納得いかない場合は、セカンドオピニオンとして、別の病院でも検査を受けることをお勧めします。
◇適度な睡眠、運動、バランスのとれた食事で、健康的な生活を。
がんを完全に防ぐことはできませんが、生活を見直すことでリスクを下げることができます。
ストレスもよくないので、完璧な子育てを目指さず、手抜きや息抜きも大切です。
<出典>平成25年我が国の人口動態 – 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf
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