近年、年収200万以下の貧困家庭が増え、子どもの6人に1人は、食事も教育も満足に受けられない状態となっています。
そんな貧困家庭を支えるはずの児童扶養手当。2人目の子は月額たったの5千円、3人目になると3千円。
こんな金額ではほとんど子育ての補助にならないという悲鳴が続出しています。
●ひとり親=貧困になってしまう構図
特に貧困家庭で多いのが、シングルマザーが子育てをしている、ひとり親家庭です。
日本では子育て女性の給料が低く、そもそも正社員になれないケースがほとんど。
日本のひとり親の貧困率は、先進国の中で最悪ですが、母子家庭となるとさらに貧困率が高くなっています。
そのため、少しでも生活費を稼ぐために、時給の低いパートをかけもちすることも少なくありません。
昼はレジ、夕方~夜は居酒屋、朝は新聞配達、とがんばっているママたち。
彼女たちは毎日睡眠時間を削って、身を粉にして働いています。365日子育てと仕事に追われています。
それなのに母子家庭の平均年収は180万円ちょっと。貧困から抜け出せないのです。
稼ぐために、家にいる時間も減ります。
子どもが勉強でわからないことがあっても見てあげられない。
学校の行事にも参加できない。
その結果、あの子は問題がある、母子家庭でしつけが悪いから付き合わない方がいいと、地域で孤立してしまう親子もいます。
また、仕事と子育てに頑張り過ぎて破たんして、体を壊して働けなくなるママもいて、本当に切実な問題です。
なぜこんな仕打ちを受けるのか?
彼女たちも、その子どもたちも、なにか悪いことをした訳ではありません。
たまたま、夫と死別したり、実家の両親が亡くなっていたり、夫が役目を果たさないなど結婚生活がほころんでしまった、ただそれだけのことで、こんなに苦しむことになってしまうのです。
日本の貧困家庭の子どもの教育をバックアップするNPO法人「キッズドア」の代表、渡辺由美子さんによると、貧困家庭で育つ子どもは、教育でも不利になり、将来年収の高い仕事に就けなくなるという悪循環を生んでいるそうです。
●「5千円で子どもを育てられますか?」
もちろん、シングルマザーを支えるための公的な援助は存在します。
子ども1人に4万円を支給される児童扶養手当(じどうふようてあて)です。
しかし、2人目の子はたったの5千円、3人目になると3千円しか支給されないというから驚きです。
3人目の3千円は、1日あたりたったの100円。
日本で1日100円で何をしてあげられるのでしょうか?
1番目だろうと3番目だろうと、同じ1人の人間であり、食費はそれぞれ1人前ずつかかりますよね。
学校の消耗品や教材、塾などの費用も、ほぼ人数分ずつ必要になります。
3人目の子は空気でも食べさせておけというのでしょうか?
前述の渡辺由美子さんは、この「児童扶養手当の欠陥」を指摘し、2人目以降の児童扶養手当を、せめて1万円に増額するよう政府に要望するため署名活動を行っています。
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「子どもを5,000円で育てられますか?貧困で苦しむひとり親の低すぎる給付を増額してください!」
下記のページに、お名前とアドレスを入力するだけで、菅義偉 官房長官あての署名に参加できます。
↓
<WEB署名>
https://www.change.org/p/子どもを5-000円で育てられますか-貧困で苦しむひとり親の低すぎる給付を増額してください
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欧米で少子化対策がうまくいっている国では、シングルマザーの子育てを援助する仕組みが充実していますが、日本では援助が足りないまま、少子化ばかり叫ばれているのが現状です。
どんな環境でも、子どもたちが幸せな未来をつかんで、みんなで豊かな国をつくっていけるように。
日本の子育てを支えるための仕組みを改善していけるといいですね。
<出典>
8bit news
Photo by Oleg Sidorenko