子どもの才能を小さいうちから伸ばしてあげたい、可能性を広げてあげたいというのは多くの親御さんの希望です。
そのため最近は、1歳になる前から幼児教室に通わせたり、幼稚園に行きながら空手や水泳をやらせたりと、習い事だけで平日が終わってしまうという家庭も珍しくありません。
しかし将来的なことを考えたとき、子どもに習い事をさせることは本当にメリットがあることなのでしょうか。
●お金がかからないのは今だけ
子どもが小さいうちは衣類代や食費、雑費くらいで教育費はかかりませんからそれほど気にすることもありません。
ですが段々と大きくなると幼稚園の保育料やバス代、給食費に制服代や入園費といった初期費用、暖房費など管理費などがかかりますし、その上習い事となれば毎月10万円近いお金が飛んでいくという家庭も珍しくありません。
家計の中から10万円というと広範囲を占めることになりますし、そのときになって初めて小さい頃はお金がかからなかったと自覚できるようになるのです。
●将来的なことを考えた貯金を
本当に子どもにお金がかかるのは、大学や専門学校などの高等教育の時期です。
現在、国立大学でも1年目は年間80万円以上かかり、私大の医学部などは年間2000万円を超えるケースもあるほどです。
県外などに通う場合、一人暮らしの生活費も別途必要になるでしょう。
さらに留学をしたい、大学院に進みたい、など子どもが希望するケースもあるでしょう。
これらの多額のお金は、幼児期からコツコツためている家庭も多いようです。
お金がかかるようになってからお金を貯めておけばよかったと後悔するのは遅いですし、幼児期に習い事をしていて教育費の貯蓄ができておらず、大学に通うために奨学金を借りて社会人になったときから借金生活を送ることになりかねません。
最近は奨学金を返済できない、奨学金の返済だけで貧乏になってしまうという若者も多くいます。
つい才能を伸ばすため早いうちから習い事をと焦ってしまうものですが、子どもが小さいうちこそ将来的にかかる教育費を少しでも貯めていくことを考えてみてはいかがでしょうか。
Photo by USAG- Humphreys