子どもを預けている間、保育士さんが、親代わりになります。
託児所などによる悲しいニュースも絶えませんが、一方で、預かっている子どもたちを、わが子のように命がけで守りきった女性もいます。
彼女は、園児たちを守るため、2人組の暴漢と命がけで戦い、死の淵をさまよいました。
「もう一度同じことをするか?と聞かれたら、もちろん「する」って答えるわ!」と誇らしげに答えています。
アメリカ、モンタナ州のマーサ・マックルーアさん(41歳)は、子どもが大好き。
自身も5人の子どもをもつ母親であり、20年前から自宅で託児所をひらいています。
「朝、子どもたちが預けられた瞬間から、わたしは子どもたちのお母さんになるの」
マーサさんは日頃からこう語っていました。
ある朝、園児の父親がやってきました。
その父親、フランシス・ジャクソンは、ある理由から子どもの親権を失い、子どもに近づくことを禁じられている身でした。
しかし、この日、ガールフレンドを連れて、3人のわが子を連れ戻しに、託児所へやってきたのです。
マーサさんは遠目から見ても、すぐにフランシスがひどく泥酔している様子がわかりました。
彼は酒臭いを息を吐きながら、近づいてきます。
いち早く危険を察知したマーサさんは、子どもたちを自分の背後にかばい、毅然とした態度で言いました。
「お子さんたちをお渡しすることはできません。お引き取りください」
とたんにフランシスは激高し、ものすごい声でマーサさんを怒鳴り、ののしり、「殺してやる!」と叫びました。
マーサさんは、頭をフル回転させて、子どもたちを安全な場所へ移すことを考えながら、フランシスに対応しました。
マーサさんはフランシスに体当たりして建物の外へ追い出し、園のドアを閉め、鍵をかけました。
しかし、彼は中に入ろうと、外にあった三輪車を持ち上げ、窓に投げつけました。そして割れたガラス窓から侵入しようとします。
子どもを安全な部屋に移してから、マーサさんは侵入を阻止するため、すぐにフランシスに立ちはだかります。
5児の母は強し!
しかし、フランシスのガールフレンドが、振り回した雪かき用のシャベルが、マーサさんの顔面を強打したのです。
倒れたマーサさんの上に、侵入したフランシスが馬乗りになって、さらに顔を殴り続けます。
マーサさんは顔の骨を折られ、重傷を負っていました。
さんざん痛めつけた後、二人は家の中をうろうろと探し回り始めました。
そのすきに、マーサさんは警察に電話。
子どもたちを怖がらせないよう、腫れあがった顔を手で隠しながら、明るい声で子どもたちを落ち着かせました。
「子ども達は、きっと何が起こったか気付かなかったと思う」
後でマーサさんは振り返ります。
「我が家は子どもたちにとって『第2の家』だから。ここで怖い思いをしてほしくなかったの。子どもたちのつらい思い出になるのがイヤだった」
マーサさんの写真は世界中でシェアされました。
「わたしがヒーロー?いいえ、当たり前のことをしただけよ。
だってわたしはここの子どもたちの母親なんですもの。
殴られるのが怖くなかったかって?そりゃ怖かったわ。
でも、同じことをもう一度するか?と聞かれたら、もちろん「する」って答えるわ!
…母親なら誰だってそうでしょう?」
フランシスとそのガールフレンドはすぐに警察に逮捕されました。
マーサさんの傷も少しずつ治ってきています。
マーサさんの勇気ある行動のおかげで、1人も、ケガをした子どもや、怯えた子どもはいませんでした。
母親は、命をなげうってでもわが子を守ろうとしますが、同じくらいの気持ちで子どもを預かってくれる保育士さんがいるなんて、ありがたいですね。
<出典>
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