幼児期の子どもには、肌身離さず持ち歩いている毛布やぬいぐるみがあるものです。
それがないと、その子にとってはとても不安になってしまうのです。
親としては、どうしてそんなに毛布やぬいぐるみに対して、異常に執着してしまうのか疑問になりますが、これは移行対象と呼ばれる心理状態があるようです。
この移行対象が現れる子どもは、アメリカの子どもの場合60%以上にのぼるのですが、日本では30%程度となっています。
アメリカの育児では子どもの自立を促すものですから、これが大きく影響しているようです。
移行対象は、子どもの心に安定をもたらしてくれる役割を持っています。
母親との関係もよく、年齢も上がって母親との分離が可能になれば、自然と移行対象に執着をしなくなり、卒業できるようです。
しかし、母親との関係が良くない場合には、いつまでも移行対象に執着したり、何か他の異常行動が見られるようになることもあるようです。
移行対象は、子どもにとってとても大切なものなので取り上げてしまうことは絶対にしてはいけません。
年齢が大きくなっても、母親との関係が良いのに、いつまでも特定のおもちゃやぬいぐるみ、タオルなどが手放せない場合には、発達障害の可能性もあります。
特定のおもちゃでしか遊ばない、順序や時間などへの執着が見られる場合にも、発達障害、強迫障害の可能性があります。
子どもが執着しているおもちゃなどを無理やりに取り上げても何の解決にもなりません。
気になる場合には、児童相談所などに相談しましょう。
Photo by Leonid Mamchenkov