先日、酒に酔った母親と入浴した赤ちゃんが溺死しました。
このような事件が何度も起こる理由は?母親に増えるアルコール中毒と育児ストレスの関係について、ご紹介します。
●酒に酔った母親と、11か月の赤ちゃん
2016年1月、東京・新宿区の公務員住宅で、赤ちゃんが浴槽に浮かんでいるのが発見され、その後死亡したという事件がありました。
当時、母親と生後11か月の男の赤ちゃんが2人で入浴していましたが、母親だけが浴室から出てきたことを不審に思った父親が浴室を確認したところ、赤ちゃんが浴槽に浮いていたとのことです。
赤ちゃんに外傷はありませんでしたが、搬送された病院で死亡が確認されました。
当時母親は酒に酔っていたとのことです。
警察は慎重に調査していくとのことです。
●酔って入浴中に眠った母親と、6か月の赤ちゃん
似たような事件はつい最近もありました。
2015年4月には東京・葛飾区で、生後6か月の女の赤ちゃんが、飲酒して酔った30代の母親と入浴中に死亡しています。
その母親は調べに対し「酒を飲んで次女と風呂に入っていたら寝てしまい、気づいたら浴槽に浮いていた」と話しており、赤ちゃんは溺死でした。母親は過失致死となる旨が当時報じられていました。
●「キッチンドランカー」育児ストレスで飲酒する母親が増えている
近年、飲酒量が減っている男性に比べ、女性の飲酒量が増加しています。
男性に比べて、女性は依存しやすく、男性よりも少ない飲酒量でも泥酔し、深刻なアルコール依存症になる傾向があります。
健康への悪影響も、女性の方が出やすく、肝臓障害、膵臓障害など発症しやすいので、注意が必要です。
働く女性の飲酒も増えていますが、特に問題になっているのは専業主婦がキッチンでお酒を飲む「キッチンドランカー」という飲み方です。
飲み会にいく機会のない専業主婦は、ストレス発散の方法がなく、自宅のキッチンで、料理しながら飲んだり、なんとなく暇つぶしや寂しさからお酒を飲む習慣がついてしまうケースが多いのです。
家族が気付いた時には、深刻なアルコール依存症になっており、飲んでいない日がない、常に酔っぱらってる、という状態だったりします。
母親たちのアルコール中毒は日本でも海外でも深刻な社会問題になっています。
アルコール中毒でへべれけに酔った母親のいる家庭は『機能不全家庭』となり、そんな環境で育った子どもたちは『アダルト・チルドレン』と呼ばれます。
虐待されて育った子ども同様、心に深い傷を持ち、成人後もトラウマを抱えて生きていくことになります。
●真面目な母親は注意!
キッチンドランカーや、アルコール中毒になる母親によくあるのは、「もともとお酒を飲む方ではなかったが、ちょっとしたきっかけで飲む習慣になってしまった」というもの。
育児ストレスがたまるものの、家族や子どもに八つ当たりしてはいけない、外に出歩いてはいけない、など自分を律する気持ちが強いため、『自宅でチビチビとお酒を飲む』という、『誰にも迷惑をかけないはずの方法』でストレス発散をしてしまうのです。
しかし、それが悪化して、いつしか、本人にも家族にも大きな悲劇になってしまうのは、説明するまでもありません。
特に悩みを一人で背負いこんでしまう真面目な母親は、要注意です。
大変なことは、きちんと夫など家族や周囲の人に訴えて、手助けしてもらいましょう。
また、お酒ではなく、スポーツや外出や友達とのおしゃべりなど、他の方法で発散することをおすすめします。
孤独な育児に奮闘する母親が、ストレス発散のために飲酒を繰り返し、小さな命が犠牲になるという、悲惨な事故が無くなるといいですね。
<出典>
FNN ニュース
産経ニュース
Photo by Dean Wissing