さまざまな事情によって実の親と離れ離れになる子どもたちもたくさんいます。
しかし温かな家庭にめぐりあい、養子として迎えられて、実の親子のように温かく深い絆で結ばれた親子もたくさんいます。
●血のつながりは超えられる!感動のものがたり
ブルック・ツークさんは、まだ1歳半の赤ちゃんだった頃、シェリーさんとクレイグさん夫婦に養子として迎えられました。
しかし、そのことは一切ふせられたまま、本当の娘のように大切に育てられたブルックさん。
ブルックさんの育てのママであるシェリーさんは、赤ちゃんのブルックさんを迎えた頃、いつか彼女の結婚式の時に渡そうと、ある手紙を用意していました。
その日が来るまでずっと大切に保管されていた手紙は、手紙が書かれてから20年以上もの月日を経て、2015年3月7日、彼女がミシシッピ州に暮らすタイラーツークさんとの結婚式の日に、開封される事になりました。
シェリーさんは、大切な娘のためにしたためたその手紙を、より特別なものにしたいと、自分のウェディングドレスをカットして、手紙の言葉をプリントして、その大切な日を迎えた娘に手渡したのです。
その手紙には、ブルックさんが生後18ヶ月で、大切な娘としてやってきたこと、ブルックさんの名前の由来や、そして何よりもママもパパもブルックさんのことをとても深く愛していることが書かれていました。
ブルックさんは、このことを今まで全く知らなかったそうです。
この心に沁みいる贈り物をもらった時、ブルックさんはとても平常心ではいられなくなったそうで、ショックや嬉しさ、興奮、恐縮、そして何よりも純粋に愛されていたことを感じ、涙を流します。
2016年にはブルックさんにも初めての赤ちゃんが授かる予定です。
そしてオリジナルの手紙とドレスの手紙は、製作中の特別なボックスに入れて、部屋に飾られる予定です。
今、日本でも子どもが親に捨てられたり、親と死別したりして、保護される子どもが増え、児童施設がパンクしています。
しかしその一方で、晩婚化などにより、子宝に恵まれず、子どもを求めている夫婦もたくさんいます。
日本では実親の権限が強いために、養子縁組がなかなか進まないという現状があります。
ブルックさんの話は一例ですが、日本でも海外でも、血のつながりを超えて、深い信頼と愛情で結びついている親子はたくさんいます。
小さな赤ちゃんを抱きながら、いつか大人になって他の誰かと結婚する日を想像する。ずっと幸せでいてくれるよう祈る。
…その切実な親心は、実の親であっても、養親であっても、変わらないのですね。
Photo by Jos, Joanna, Micaela, Finn, and Davey Purvis