今、日本の少子化対策のため「つけ刃」としか思えない、未熟な対策を行っているようです。
簡単な一時的な補助金などでは、少子化問題の根本的な解決にはならないのです。
●少子化対策で本当に求められていることとは・・
若者世代の出産・育児には「安定した雇用と収入」が大前提ということが、厚労省の調査結果で判明しました。
少子化対策の具体的な対策として、本当に何が求められているのか、厚生労働省では「人口減少社会に関する意識調査」を行ってます。
その結果、若者世代が出産、育児に積極的になるために必要なこととして、「安定した雇用と収入」を72.4%の人が回答しています。
この調査では、0歳から15歳までの子どもが1人以上いる家庭では、72.4%もの人が、「子育てをしていて負担や不安に思うことがある」と回答しています。
その理由としては、「子育ての出費がかさむこと」や「将来的に予想される子どもにかかる経済的な負担」さらに「子どもが病気のとき」などがあげられています。
また、出産、子育て支援としては、補助金などではなくて、「安定した雇用と収入」を求める声が多くあり、それ以外には「安心して保育サービスを利用できる環境」や「安心して出産出来る環境、小児医療の体制確保」などがあげられています。
●まずは「対策したいなら金をくれ!」
出産と子育てに対する不安要素として、保育や医療もありますが、やはり本命は収入面のことと言えそうです。
日本では非正規雇用が増え、子どもがほしくても、養える経済力が見込めないため、子どもを作れない産めない夫婦が増えているのです。
この意識調査の回答者のうち、30代男性の世帯年収が200~400万円未満が26.2%もいました。
400万円未満の収入でも子どもを出産して育てることは出来ますが、有名大学への進学や、塾に通わせるといった高い希望は難しいと言えるでしょう。
自分たちの収入では希望する育児が出来ないということで、子どもを作れない、という諦めに直結しているようです。
日本の少子化対策では、雇用と収入の改善が大きな課題となりそうです。
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