車椅子のママも、着物をあきらめないでください。
愛知県春日市を拠点とする、和装レンタルや婚礼ヘアメークを手がけている「はなよめ工房」では、車椅子の方でも簡単に着ることが出来る、振り袖や袴を開発しています。
障がいを持つママたちも、我が子の入学式などの晴れの日に、着物で列席することが可能になりました。
●座ったままでも和装が楽しめる!車椅子で着られる着物とは・・
通常、着物の着付けは、立って行うことが基本ですから、障がいによって車椅子を利用している人は、和装は着られないものと諦めてしまっていることがほとんどではないでしょうか。
しかし、愛知県春日市を拠点としている、和装レンタルなどを行っている「はなよめ工房」では、どんな人でもキレイにしたい、との思いで、着物のバリアフリー化を進めています。
車椅子利用者専用の着物の開発は、2年ほど前からスタートしたと言います。
きっかけは、発案者である中島朋子さんが出演したラジオ番組で、障がい者のカップルの恋愛や結婚の話を聞いて「車椅子の人はどうやって着物を着るの?」と疑問に感じたことだそうです。
さらに、SNSなども通じて、重度障がいがある人は、大変だから着物を着るという選択肢すらないこと、そして、一方では、着物を着る機会があれば、障がいのある子に晴れ姿として着物を着せたいと思っている親御さんもたくさんいることを知ります。
それから、中島さんは、車椅子利用者のための白無垢や袴、留袖、振り袖などを開発して、完成させました。
上下分割になった着物で、上部は腕を通すだけのシンプルな仕様で、下部は、エプロンのように前から覆う形になっています。
着崩れ防止のために、面ファスナーが活用されており、胴や胸のあたりの帯に着物を固定しています。
着付けは1人で行うことができ、所要時間はわずか5分から10分程度です。
車椅子利用者の着物ということで、ビジネスとして成り立つのか、との厳しい声もあったそうで、実際、特注扱いの着物なので、コストはかかります。
ただ、発案者の中島さん自ら、加工出来る部分は行うなどの工夫で、通常のレンタル着物と同じくらいの価格設定が実現したそうです。
すでに麻痺をもつ方の成人式などでも大活躍しているそうです。
男性用の着物もそろっているので、パパやおじいちゃんも選べます。
車椅子を使うご本人の晴れ舞台のほか、お子さんの入学式や晴れの日に、華やかな着物で列席したい、…こんな願いが叶えられるんですね。
体が不自由でも着物が着られる。
おしゃれのバリアフリーが今後も広がっていくといいですね。
<出典>
http://www.hagoromostyle.net/