マタニティブルーといえば、妊娠してホルモンが急激に変化し、そのホルモンの変化から妊婦さんが、精神的・肉体的につらくなるケースが多かったのですが、近年になり妻が妊娠している男性でも、マタニティブルーにかかる人が増えていることが分かってきました。
●増えている男性のマタニティブルー
女性が妊娠するとホルモンのバランスの崩れや、今までと同じような生活ができなくなる事、つわりなどの体調不良などによって、だんだん気持ちが沈んでいきます。
理由もなく涙が出る、気分がだるいなどという症状を現しますが、その辛さを奥さんが吐き出せるのは旦那さんだけなのです。
旦那さんは奥さんの気持ちを少しでも軽くしてあげようと、必死に奥さんの気持ちを受け止めてあげようとします。
その優しい気づかいが、旦那さんのマタニティブルーを呼ぶきっかけになってしまうのです。
奥さんが辛そうにしているからと愚痴を聞いたり、旦那さんが家事や他の子の育児を協力すると、奥さんがとても嬉しそうにしているのを見て、奥さんに頼まれなくても家事などを積極的に行うようになると、男性は外での仕事のほかに家での仕事も急激に増加します。
今までは外でのストレスを家で発散させていたのに、家では奥さんの終わりのないストレス発散につき合わされ、家事を協力して感謝はされても、結局は奥さんがつわりで食べられずに、作った料理が残飯になってしまったり、ごみになってしまう。
やればやるほど報われないむなしさがこみ上げてきて、だんだんと旦那さんにもストレスが溜まっていき、気が付いたときには旦那さんまでがマタニティブルーになってしまうのです。
実際に、奥さんから見て「十分に協力してもらってない」「全然気づかいが足りない」と思われている旦那さんも、気持ちのうえでナーバスになってしまって、マタニティブルーになってしまい、外を飲み歩いてしまうというケースもあります。
男性のマタニティブルーは、旦那さんの頑張り過ぎる優しさが元になっていることもあれば、父になるという自覚不足の甘えが招いている、未熟なケースもあります。
夫婦がマタニティブルーを抱え込まない方法に、決まったやり方はありません。
しかし、どんな状態のときでも夫婦二人ともがお互いのことを思いやることができ、自分にストレスを抱え込まない方法で愛する人の心にそっと寄り添ってあげることができれば、増え続ける男性のマタニティブルーだけでなく、女性のマタニティブルーも解消していくのではないでしょうか。
Photo by Richard Leeming