お母さんにとって、第3者から投げられる心無い言葉は傷つきますし、「うちの子どものことをよく知らないくせに」と思ってしまう原因でもあります。
●「子どもを甘やかすのはダメ」と言われたママ
ある日、娘を連れてショッピングセンターで買い物をしていた、ケリー・ダークスさんは、全く知らない買い物客から
「そんなふうに、子どもを甘やかしちゃダメよ」
と言われました。
ケリーさんは同じ人物から、以前も同様のことを言われていました。
その人物に向けて、フェイスブック上で、メッセージを投稿しました。
●ケリーさんのメッセージ
その人は「子どもを甘やかさずに、独立心を育てなさい」と、言ったそうです。
しかしケリーさんは、うちの娘について知っていることを、相手も知っていれば、そのような言葉は出てこなかっただろうというのです。
その理由は、娘は孤児院で育ち、生まれてから10か月間、ベッドの上で、自分の指だけをおもちゃにして過ごしてきたからです。
ケリーさんが娘に初めて会った時、娘は抱っこされたときにどのような反応をすれば分からないという顔をし、安心感と恐怖心を表情に浮かべていたそうです。
娘として引き取った当初は、目を覚ましても泣かず、その時からケリーさんの心を痛めるほどの独立心を抱いていたのです。
ケリーさんは、毎日たっぷりとふれあい、娘の中にあるトラウマや不安感を拭い去り、「抱っこを降ろされたときに泣く」ということができるようになるまで愛情を注ぎました。
そして周りに愛情を注いでくれる人がいて、甘えられる人がいるということを知った娘は目を覚ますと大きな声で歌うようになったのです。
もうベッドの柵や自分の指を眠るときのお友達にしなくても、抱きしめて眠らせてくれる人がいるということをやっと覚えました。
娘が「もっと甘えたい」というしぐさを見せるようになった時、周りの人はみんな感動して涙を流したそうです。
心を閉ざしていた娘が、大人を頼ること、信頼できる人に甘えられるようになったのは、大きな進歩だったのです。
ですからケリーさんはこう結びます。
「娘に対して甘やかすことが、わたしの一番大切な仕事です。
娘がもういいと言うまで、抱っこをしてあげるつもりです。
彼女は守られている、温かい家族がいて、愛されているということを、教え続けているのです。
そのことを、あなたが知っていたなら…」
街中には、様々な親子がいて、みんな違った事情を抱えています。
自分の子育て論が、必ずしもみんなに当てはまるわけじゃないことを、特に年配の方には自覚してほしいものですね。
Photo by Vasile Cotovanu