世界にはさまざまな障害や病気がありますが、ブラジルのクラウディオ・ヴィエイラ・デ・オリヴェイラさんはあまり例を見ることがない遺伝疾患を持っています。
周りから見るとなぜこの人はこんな姿勢を取っているのかと疑問に思うのですが、クラウディオさんは、先天性多発性関節拘縮という、体中の関節に異常が出る病気を患っているのです。
●胎児の時に異常が見つかった
クラウディオさんにこの病気が発覚したのは、まだ母親の胎内にいるときでした。
妊娠3か月の時に発症。
この世に生を受けたクラウディオさんは手足に首関節に症状があり、頭は常に後頭部が背中にピッタリと就いている状態です。
母親も医師からクラウディオさんの生存率は低いと言われており、生後24時間以内に死んでしまうと思われていました。
ところが、生まれた後もクラウディオさんは生き続けました。
母親は希望を捨てず、それから同じ病院に行くことはありませんでした。
そしてクラウディオさんに次々と奇跡が起こるのです。
●不可能と言われた動作を次々と
まず8歳の時、膝を一人で動かせるようになったのです。
それを見た家族は、家をバリアフリーに改装し、素材もケガをしないものに、家具はつかまり立ちできるようなものにし、クラウディオさんが一人で作業できる環境を作りました。
そして学校に入る時期になると、両親は車いすが使えないにもかかわらずクラウディオさんを学校に入れることを決めました。
実際にクラウディオさんは、ものを逆さに見ているだけでほかの人と変わらないと言います。
テレビを付けることも、携帯電話やパソコンを使うことも、クラウディオさんはできるのです。
そして少年はいつしか大人になり、40歳のある日、自身の病気や人生についてつづった「さかさまな世界」と言う本を出版します。
●笑顔を絶やさず、アクティブに生きる
周りからおかしな目で見られることもありますが、それはクラウディオさんにとって恐怖ではないのです。
クラウディオさんの写真はいくつか公開されていますが、いずれの写真でもクラウディオさんは笑っています。
ポジティブにエネルギッシュに生きること、そして微笑み続けることがクラウディオさんなのです。
Photo by StarMama