世の中にはさまざまな病気がありますが、身長が伸びない小人症という病気もあります。
これは両親の身長が低いということではなく、遺伝子などの異常によって引き起こされる先天性の病気です。
・先天性異常を持って生まれた我が子
オーストラリアシドニー在住のジェイミー・ジェンキンスさんは夫ヤコブ・ランさんと初めての赤ちゃんを心待ちにしていました。
ところがある日の検査で赤ちゃんに異常があると言うことを告げられ、詳しい内容を知らされないまま妊娠生活を送ることになったのです。
出産予定日数週間前、健診に訪れたジェイミーは、赤ちゃんの肺機能が発達しておらず、出産してもいきる確率は低いと告げられます。
しかし名前も決めていた夫婦は赤ちゃんの命を奪うことはしたくないと、中絶せず出産する決意をします。
そして生まれた女の子の赤ちゃんはヘレナちゃんと名付けられ、いつお別れになるか分からない状況の中で育っていくことになったのです。
・何度も死を覚悟した
生まれてすぐになくなってしまうと言われていたヘレナちゃんですが、生まれてもなお生き続け、成長し続けるヘレナちゃんに医師たちは驚きを隠せませんでした。
実はヘレナが持って生まれた障害は小人症という病気で、その中でも珍しいタイプだったのです。
3カ月の間死の危機を3回も乗り越えたヘレナちゃんは何度も手術を受けました。
そして両親は娘と生きるための専門知識を学んだのです。
ジェイミーさんもヤコブさんも身長は180㎝ありますので小人症の遺伝子を持っているのは誰もが驚いたそうです。
そのため3分の1の確率でヘレナちゃんと同じ症状の子供が生まれる可能性があると分かり、2人目を作るかどうか迷っていると言います。
無事に1歳の誕生日を迎えたヘレナちゃんは親指姫の相性で親しまれ、SNSサイトにはこれまでのことや苦しいことなどを公開しました。
しかしいろいろな面で驚かせてくれるヘレナちゃんは奇跡そのものだとジェイミーさんは言います。
1カ月に2回の健康診断、いつ急変するか分からない状態でありながらも、ヘレナちゃんに楽しい人生を送ってほしいと願っているのです。
Photo by Ben Fitzgerald-O’Connor