2015年1月、ある夫婦は可愛い4つ子を新たな家族に迎えました。
しかしそれは同時に悲しい別れと、一つの希望、約束を結ぶことでもあったのです。
●念願の妊娠で四つ子が!
エリカ・モラレスさんがご主人のカルロスさんと出会ったのは2007年、お互い一目ぼれだったそうです。
ところが2人はお互いの国の言葉を話すことができませんでした。
しかし2人の前に言葉は障害とならず、2人はお互いの国の言葉を学び、そして結婚することになったのです。
結婚して2人はすぐに子どもがほしいと願うようになりました。
1度は流産してしまったものの、その1年後再びエリカさんは妊娠することができました。
そしてその時の超音波検査で医師から赤ちゃんは4人いることを告げられたのです。
夫婦は2人とも大喜びで大事に1日1日を過ごし、予定日までの時間をさらに愛を深める時間としたのです。
●4つ子のうち、3人の名前が決定
そして夫婦で赤ちゃんの名前も一緒に考え、1人だけいる男の子をカルロス・ジュニアに、3人いる女の子の内2人はペイズリーとトレーシーと決めました。
ただ残る1人の女の子の名前だけが決められず、生まれてから決めようと夫婦は決めたのです。
●「これから帝王切開で出産します」投稿の後にまさかの展開
そして7か月後、エリカさんを陣痛が襲ったため、急きょ帝王切開で出産することになりました。
エリカさんは「これから帝王切開で出産します」とフェイスブックに投稿し、点滴のついた腕の写真などを知り合いに共有しました。
月は満ちていないものの、カルロスさんはお父さんになれること、赤ちゃんに会えることを楽しみに待っていました。
そして、帝王切開が終わり、エリカさんは四つ子を無事に出産!
医師はカルロスさんに奥さんに会えることを告げました。
カルロスさんがエリカさんの手を優しく握ったところ、エリカさんが麻酔から覚めました。
まさに幸せな瞬間でした。
ところが、カルロスさんは、何か嫌な違和感を感じました。
すぐ直後、モニターが警戒音を鳴らし始め、そのとたん医師や看護師が顔色を変えて、バタバタと動き始めました。
カルロスさんと4人の赤ちゃんたちは、ただちに別の部屋へ出されてしまいます。
そして、カルロスさんは、エリカさんが、あっという間に亡くなったことを知らされます。
死因はお産による出血多量でした。
手術前に「これから出産します」と笑顔で投稿したのが、エリカさんの最後の投稿になってしまったのです。
●妻の命と引き換えに、やってきた4人のわが子
4人の子どもの命と引き換えに、妻を亡くしてしまったカルロスさん。
医師から説明を聞いても、全く耳に入らず、何を言っているか理解できませんでした。
あんなに元気だったのに。
帝王切開は決して難しい手術じゃなかったはずなのに。
あんなに願った子どもが生まれて、これから家族そろって幸せな生活が始まるというところだったのに。
とてもすぐに、妻の死を受け入れることができませんでした。
しかし、彼の腕の中には、4人の赤ちゃんがいて、生きるために小さな呼吸をしていました。
カルロスさんは、愛するエリカさんが命がけで残した小さな命を、必死で守ろうと決意しました。
エリカさんのお葬式では、カルロスさんは「子どもたちが言葉の壁につまずかないよう、バイリンガルに育てて、4人とも大学へいかせて、良い職業につけるよう、僕が責任をもって育てていく」と決意の手紙を、エリカさんに贈りました。
●最後の一人の名前は「エリカ」に
4つ子のうち、3人の名前は決まっていましたが、最後の1人は未定でした。
そこで、カルロスさんは、名前の決まっていない1人に「エリカ」と名付けたのです。
4人の新生児を抱き、悲しみにくれてばかりいられないカルロスさん。まだエリカさんのことを考えて泣いてしまう日もありますが、エリカさんに約束したとおり、子どもたちをしっかり育てる目標に向かい、毎日奮闘しています。
どんなお産も命がけで、医師も想像できないリスクを伴います。
しかし大きな愛で乗り越えていくエリカさんとカルロスさん。
現在のカルロスさんと4つ子ちゃんの姿です。
4人の子どもたちが、これからも健やかに育っていけるよう応援したいですね。
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