出産は何が起こるか分かりません。時として母体に異常が生じ昏睡状態になることもあります。
しかし奇跡が起こるのも出産であり、これから紹介する女性は生まれた赤ちゃんのおかげで意識を取り戻した一人です。
・出産で昏睡状態に陥った女性
アメリカ合衆国ノースカロライナ州在住のシェリー・カウレーさんは、夫ジェレミーさんとともにわが子に会えることを楽しみにしていました。
毎日大きくなるお腹をなでて話しかける、絵にかいたような幸せな生活を送っていたのです。
そしていよいよシェリーさんは産気づき、出産のために病院へ運ばれました。
ところが陣痛が始まった直後、容体が急変し、緊急帝王切開が行われたのです。
担架の上のシェリーさんは、出産後の自分の身を案じるほどの体調だったのです。
赤ちゃんは元気に生まれてきましたが、シェリーさん自身は動脈血栓が原因で昏睡状態に陥ってしまいました。
・絶望の淵から救ったのはわが子
夫のジェレミーさんも、もうシェリーさんは助からないかもしれないと絶望を感じずにはいられませんでした。
赤ちゃんが生まれてうれしいのに、シェリーさんを失うかもしれないという恐怖心も抱えていたのです。
そんなとき、看護師が生まれたばかりの赤ちゃんをシェリーさんに抱っこさせてあげれば何か伝わるかもしれないとジェレミーさんに提案しました。
ジェレミーさんは何か可能性があるのならと看護師の提案を受け入れました。
そして10分後、なんとシェリーさんは心拍を再開し、1週間後に意識を取り戻したのです。
なぜ看護師はシェリーさんに赤ちゃんを抱かせようと思ったのか、それはカンガルーケアにヒントがありました。
カンガルーケアは生まれたばかりの赤ちゃんが母親の胸の上で安らぎ、心拍や血圧が安定するというものです。
赤ちゃんに効果があるのならママにも効果があるのではと看護師は考えたのです。
シェリーさんは赤ちゃんが大きくなったら、あなたがママを救ったのだと教えてあげたいと言っています。
Photo by Shelly Ann Cawley