熊本地震で早産になった0歳児が、震災犠牲者として認定されました。
災害による直接の避難ではない避難途中や避難後の死亡者の死因について、災害との因果関係が問われる災害関連死については、これまでにも遺族から不満が出ていました。
・熊本の地震の影響で早産 関連死と認定される
熊本市ではこのほど、生後3週間の0歳の女児を含む男女6人を、災害関連死として認定しました。
熊本地震による直接死と大雨などの二次災害などの災害関連死を含む死者の数は108人となりました。
今回、災害関連死と認められた0歳女児の母親は、4月14日の熊本地震後には妊娠5か月でした。
この母親は、地震後からおよそ10日間ほど車中泊をすることになりました。
腹痛があったため産婦人科を受診、早産の可能性があると診断されたため、対応可能な県外の病院に入院しました。
5月上旬には羊水が真菌に感染していることが判明したため、急遽、帝王切開での出産をしました。
生まれてきた赤ちゃんの体重は466グラムほどで、この赤ちゃんも菌に感染していました。
およそ3週間後の5月24日に、敗血症で赤ちゃんは死亡しました。
この事例で熊本市は、地震によるショックで早産のリスクが高まったと判断し、災害関連死として認定したのです。
・震災関連死の認定で遺族からは不満も・・
こういった災害関連死の認定については、これまでにも遺族からは「審査が不透明である」「認定の線引きもあいまいである」といった不満の声が相次いでいます。
熊本地震の災害関連死についての審査は非公開となっており、遺族に対しての詳しい説明もないそうです。
東日本大震災では、自治体間の認定結果のばらつきが問題になっています。
最大500万円の弔慰金は公金が充てられます。
今回の災害関連死認定の事例により、今後は早産児についても「被害者」として立件できる可能性が出てきました。
熊本地震や東日本大震災などの大きな災害では、妊婦さんは特に避難途中や避難後の負担も大きなものになります。
災害関連死について、もっと明確な認定基準を設けることが求められます。
Photo by Takeshi KOUNO