自閉症と診断された13歳の少年ジェイコブ・バーネットくんは10歳で大学に合格。「大切なことは学ぶことではなく考えること」と説きました。
この自閉症というのは原因がまったく分かっておらず、遺伝的なもの、脳の構造や機能に差異があるとも言われています。病気というより、生まれつきの特徴と考えられています。
3歳までに診断されることが多く、その割合は0.1~0.2%とされているのですが、どこまでを自閉症とみるかによって、人数や割合は変わってきます。
よく見られる傾向や特徴は、自分だけの世界を持ち、ほかのことに興味を示さない、社会性がない、こだわりが強いということが挙げられます。
自閉症と診断されると、親は世間から自閉症の子どもを守ろうとしますし、どうやってもこの子はまともな大人にはなれないかもしれないと能力を伸ばすことも諦めてしまうことが多いのです。
先に挙げたジェイコブ君のIQは、実にアインシュタイン以上といわれているのですが、彼はスピーチの中で大切なことは学ぶことではなく考えることと言っています。
たとえば円で考えたとき、円は丸い形をしていて面積を求める公式はπrの2乗ということは誰でも知っていることだけれど、ほかに知っていることは何かあるのかというとあまりないということを言っています。
そこで彼は円を3つ持ち出し、線が6本できるように重ねれば1点から6つの線ができること、線が重なったほかの3点は3つの円と同じ線の上にあることが分かる、これで円に関する新しい発見ができることを主張したのです。
ジェイコブ君が自閉症と診断されたのは2歳の頃で、こだわりが強く、何も考えていないように見られたそうです。
周りからは学習もできなければ考えることもできず、靴紐すら結べないといわれていました。
ところが彼は教科書通りに学ぶことではなく、自分が気になったことをとことん考えることを習慣にし、ついに10歳で大学に合格。12歳で微分積分をわかりやすく説明したビデオをつくり、全米で有名になりました。
自閉症の子に限らず、人の能力を最大限に伸ばしていけるのは、決まったことを頭に詰め込むことより、興味のあることを納得いくまで考える力を育てることなのかもしれません。
(画像の少年はイメージです)
Photo by Loren Kerns