日本医学会副会長で、北海道大学教授の岸玲子さんが、妊娠中のたばこの悪影響について、以下の調査結果をまとめました。
札幌市の妊婦293人と、2002~05年に生まれた赤ちゃんたちを調べたそうです。
タバコを吸っていない妊婦から生まれた赤ちゃんの体重は、平均3077グラム。
一方、妊娠中にタバコを吸っていた妊婦から生まれた赤ちゃんの体重は、平均2929グラム。その差は135です。
しかし、中でも化学物質に反応しやすい喫煙妊婦から生まれた赤ちゃんの場合は、平均より315グラムも体重が少なかったそうです。
大人にとって小さな差でも、新生児の体重に1割もの差が出るというのは、赤ちゃんにとって、とても大きなハンデになり得るのです。
また、自分では喫煙習慣がなくても、妊娠中に職場や家庭で、周りの人がタバコを吸っていて、妊婦が受動喫煙をしていた場合も、生まれた赤ちゃんの体重に差が表れたということです。
最近は街中や飲食店でも分煙が進んで、受動喫煙を減らす流れになっています。
それなのに家庭や職場で、夫や家族や同僚が喫煙を続けているということは、お腹の中で育つ赤ちゃんの健康を害するために、せっせと煙を送っているような状態です。
これについて「受動喫煙は、社会の理解が深まり対策が進めば防げることだと思うと、残念な結果だ。」岸玲子さんは述べています。
日本では、男性の喫煙者の割合が減ってきていますが、女性の喫煙率はほぼ横ばい。
中でも北海道は日本全国で最も女性の喫煙率が高いそうです。
妊娠中もたばこを吸い続ける女性も一定数いるため、胎児への影響が懸念されています。
岸玲子さんは、今後も、たばこやハウスダストなどに含まれる化学物質が子どもにどう影響するのか、13歳になるまで追跡調査をしていくそうです。
喫煙の恐ろしい影響は、赤ちゃんの出生時の体重だけでなく、子どものアレルギーやぜんそくの発症なども関係しているようです。
せっかく妊娠中のママが、胎児のために喫煙せず、健康に気を使っていても、パパの喫煙で台無しになってしまうのです。
生まれてくる我が子に、低体重のハンデをプレゼントしたいパパはいませんよね?
<出典>
apital