ヨーロッパでは特にフランスが出生率が高い国として知られていることから、全体的に出生率が高く子どもが多いイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?
●ヨーロッパも少子化に悩んでる
しかし、実際にヨーロッパの出産事情を細かく見ていくと、EU加盟国全体では1.58となっておりそれほど高くないことが解ります。
低出産と言われている国にはスペインやポルトガル、イタリアなどが挙げられ、ドイツも出生率が低い国だと言われています。
●意外!?ドイツは専業主婦が多い
ドイツで出生率が低い理由は、日本と少し似ている部分があると考えられており、結婚、出産をしたら女性は家庭に入るもの、また親の老後の面倒を見るものだとする概念があるからだと言われています。
家族が共に過ごすことが理想的だとされており、女性の就業率が低いこともドイツやその他の出生率が低い国の特徴のひとつに数えられます。
●日本とも共通する家族観と社会制度
出生率が低いと言われる日本と、ヨーロッパの一部の国々では、女性は結婚後には家庭に入り、育児や親の老後の面倒を見ることが期待されている部分が大きいようです。
さらに再び女性が就業しようとしても難しい面が多く、就業率が低いことも共通しています。
●ドイツ専業ママが背負う『3K』
ドイツでは『子ども』を意味するKinder、『台所』を表すKuche、『教会』を指すKircheの『3K』が女性に求められる場面が多いと言われています。
良妻賢母で、信仰熱心。それがドイツの専業ママたちに求められている姿なのです。
このドイツの『3K』は、日本で古く求められていた理想の妻、『家族より早く起きて、一番最後に寝て、家事を完璧にやる』『夫から三歩下がって歩き、夫を立てる』『たくさん子を産み、育てる』…となんだか似ていますね。
ドイツ社会には、低年齢児がいる母親が働くことに対し、否定的な見方をする人が多いそうで、日本でも「早くに働きに出るなんて子どもがかわいそう」という意見がよく出るのと共通しています。
性格や考え方が似ているといわれる日本人とドイツ人ですが、古い女性像や、専業ママの苦労も似ているんですね。
逆に出生率が非常に高いフランスでは、これらの問題がほとんどなく、女性が自立した生活を送ることができていると考えられています。
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