生後9か月のラブラドールの子犬、バクスターの話です。
熱を出して帰宅した6歳のオリビアちゃんは、リビングのソファの上で横たわっていました。
オリビアちゃんの熱はどんどん上がって、体調が悪くなっていました。
ママや妹も近くで看病しています。
静かに眠っているオリビアちゃんに向かって、突然、ペットの子犬、バクスターが激しく吠え始めました。
「オリビアが起きちゃう、静かにして!」
ママはバクスターに何度も注意しますが、バクスターは大声で吠え続けます。
ついに、バクスターはジャンプしてソファに飛び乗り、オリビアちゃんの上に行き、彼女の枕のカバーをくわえて、引っ張り始めました。
「バクスター、やめて!」
ママは怒鳴ってバクスターを叱りますが、しつこく吠えて続けます。
ママは気付きました。
オリビアちゃんは嘔吐したものをのどに詰まらせ、窒息していたのです。
発作を起こしているようでした。
すぐに病院に搬送されたおかげで、オリビアちゃんは一命を取り留めることができました。
オリビアちゃんが発作を起こしたのはこれが初めて。
当然ながら、ママは、オリビアちゃんが発作の病気を持っていることに気づきませんでした。
また、静かに嘔吐していたので、すぐ近くにいながら、オリビアちゃんが窒息していたことも気づかなかったのです。
嘔吐したものは枕に広がっていました。
バクスターが枕を引っ張らなければ、ママは気付かず、オリビアちゃんは死んでいたでしょう。
「わたしの人生で、一番恐ろしい日だった。同時に、これ以上ないほどバクスターに感謝した日でもあるわ。
バクスターがいなかったらと思うとぞっとする…」
ママは後で当時を思い返します。
「バクスターは我が家のヒーローよ。わたしにどれだけ叱られても、オリビアを助けることをやめなかったわ。本当にありがとう」
かけつけたパパも「まだ幼い子犬だけど、こんなにしっかりしてるなんて。かけがえのない家族だよ。」
バクスターは、これからもオリビアちゃんや妹のソフィーちゃんを見守り続けていくでしょう。
人間よりも鋭い感覚で病気に気づくことができるといわれる犬の能力。
家族の命を守るために、どんなに怒鳴られても行動をやめなかったバクスター、本当にけなげですね。
<出典>
STV News