妊娠すると定期的に検診を受けますが、お腹の中の赤ちゃんの様子は、エコーで確認する事ができます。
今は医療だけでなく医療機器も進歩していますので、ある程度大きくなるとエコーを通して赤ちゃんの表情まで分かるようになっています。
●胎児のうちに奇形を除去する手術をうけた女の子を知っていますか?
マイアミに住むタミー・ゴンザレスさんは、妊娠17週目の定期検診で、赤ちゃんの口からバブルガムで作った風船のような物を確認します。
一見すると赤ちゃんが鼻ちょうちんを作っているようにも思えますが、実はテラトーマという奇形腫だったのです。
テラトーマの奇形腫は、手塚治虫さんのブラックジャックという漫画に出てくる、ピノコの元になったとも言われています。
医師は流産のリスクが非常に高い事から中絶を勧めましたが、タミーさんはそれを受け入れず、内視鏡で赤ちゃんがお腹の中にいる間にテラトーマを取り除く選択をします。
しかし胎児のうちにメスを入れて手術することは、未だ成功例がなく、リスクが高い手術となる事は間違いありませんでした。
●女の子のその後は?
発見から2週間後に手術が行われます。
手術は局部麻酔で、タミーさんの意識を残したまま進みます。
腹部を小さく切開しそこから極小カメラを差し込み、レーザーでテラトーマを切り取ります。
手術は無事成功し、5ヶ月後には元気な女の子が生まれ、レイナちゃんと名付けられました。
当時はリスクが高く医師も中絶を勧めるほどでしたが、母の愛と優秀な医師がレイナちゃんを救ったのです。
今は口蓋に小さな傷がありますが、普通に食事ができますし、喋るのにも何の不自由もありません。
後遺症もなくレイナちゃんはすこぶる元気に過ごしています。
母親のタミーさんは、自分の意思を尊重し子供を救ってくれた医師にとても感謝しているそうです。
この出来事はアメリカではニュースでも取り上げられましたが、ネットでも実際にお腹の中にいた時のレイナちゃんのテラトーマを見る事ができます。
とても危険な状態であり、難しい手術でしたが助かって本当によかったです。
Photo by PROJulie, Dave & Family