右手が無いことを理由に、生後20日で親から捨てられた赤ちゃん。4年後に、素晴らしい家族と運命的な出会いを果たします!
とても素敵な、感動のエピソードです。
カザフスタンで産声をあげた小さな男の子の赤ちゃん。
しかし、赤ちゃんには生まれつき右手がなかったため、ショックを受けた母親が、生後20日にして、孤児院に捨ててしまったのです。
●『売れ残り』という孤独
赤ちゃんはキリルと名付けられ、孤児院で育ちました。
孤児院では、同じように親に捨てられた仲間たちがたくさんいて、楽しく過ごしていました。
しかし、キリル君にとって、残酷な場面が何度も訪れます。
他の孤児たちは、次々と里親が決まり、新しい家族のもとへ旅立っていくのですが、障害のあるキリル君を引き取る人は現われません。
これは日本でも海外でも同様で、病気など障害を持つ子は里親に選ばれる可能性が低く、『自分は誰からも必要とされていない』『売れ残り』という惨めな気持ちを味わうと言われています。
さらに、年齢が上がるにつれ、ますます里親から引き取られにくくなるという現実もあります。
キリル君も、周りの友達が選ばれて去っていくたびに、孤独を募らせ、失望感を抱いていきました。
そのまま月日が経ち、キリル君が4歳になる頃には、施設のスタッフも、もうキリル君はこのまま誰からも引き取られることはないだろうとあきらめていました。
●右手がないから選ばれた?
しかし、孤児院を訪れたカナダ人のフェイシー夫婦が、キリル君を孤独の淵から救いだすことになります。
夫婦はキリル君を見て、すぐに運命を感じたそうです。
それに対し孤児院側は、「本当に手が一つしかない子どもが欲しいのですか?」と引き留めようとすらしたそうです。
しかし、夫婦は固い決意で、キリル君を引き取り、カナダの自宅へ迎え入れるのです。
なぜ、キリル君だったのでしょう?
●運命の出会い
カナダの空港で待っていたのは、フェイシー夫婦の父親、キリル君の新しいおじいちゃんでした。
おじいちゃんは、キリル君と目線を同じ高さにするためにしゃがみながら、握手をするためにキリル君に右腕を差し出しました。
驚くことに、おじいちゃんには右手がありませんでした。
キリル君と同じだったのです。
キリル君はびっくりしましたが、すぐにどういうことか理解しました。
それは、キリル君にとって、最高で完璧な家族に出会えた、ということです。
生まれつき右手のないおじいちゃんは、敏腕ビジネスマンとして成功し、パラリンピックに出るほどのスポーツマンでもありました。
おじいちゃんの「右手がなくても、好きなことはなんでもできる!」という言葉に、キリル君は心底勇気づけられました。
また、キリル君のママとパパになったフェイシー夫婦も、今まで右手のない父親がこんなに堂々と活躍してきたので、右手のない子どもの親となることに、なにも心配は感じていないそうです。
●大好きなおじいちゃん
キリル君にとっても、おじいちゃんにとっても、最高の出会いとなったようです。
毎日のように話をしたり、相談に乗ってもらったり、会えない日は電話するほど、おじいちゃんが大好き。
特に、手のない右腕同士でする2人の『特別な握手』がお気に入りなのだそうです。
周りの人たちの偏見こそが、障害を不自由にしてしまっているのかもしれません。
素晴らしい家族に出会えて、愛情と幸せに包まれたキリム君、本当によかったですね。
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