朝日新聞の読書投稿欄に、子連れママに対する心温まる対応のお話が投稿され、話題になっています。
それは、子どもを連れたママさんが、運転免許センターで免許講習を受けた時のことです。
<読者投稿の原文を転載>
先日、運転免許証更新の講習を受けた。仕事の都合で1歳と3歳の息子を連れ、夕方の最終回の受講。警察署でベビーカーを押しながら何度も周囲に「すいません」と謝り部屋に入ると、すでに受講者で満員。ここで子どもをあやしながらの30分は、なんと長く感じることか。
幸い、出口付近の席に案内していただき、周囲の方にまた謝りつつ席に着いた。「静かにね」と子どもに言って、折り紙を取り出すと、一見ぶっきらぼうな講師の先生が大声で「まずはスマホの音を消して」と、よくある注意を始められた。
さらに大きな声で「今日はここに小さい子どもさんを連れたお母さんがおられます。この厳しい世の中で必死に子育てをがんばっているところです。子どもというのは声が出るものです。私は負けない大きな声でお話しするつもりです。どうぞ温かいご理解をお願いいたします。それでは始めます」と。
力が入っていた肩を優しくたたかれたようで、涙がこみ上げ、それを見た息子が不思議そうな顔をした。
新しい免許証を見るたび温かい気持ちになり、今日も安全運転で子どもたちを園に迎えに行く私である。
(兵庫県姫路市 大崎聡美 医師 33歳/2015年11月2日付/朝日新聞「読者投稿欄ひととき」より)
<ここまで>
この大崎さんの受けた免許講習の講師は、長野泰蔵さんという元警察官の方。
後日インタビューでも、
「子どもを連れてくるのは、そうせざる得ない理由がある。あの日のあいさつも、当たり前のことをしただけ」とのこと。
このようなちょっとの気配りが出来る世の中、いいですね。