「子供がうるさい」「今の時代の風紀は乱れている」「昔はよかった」「最近の若いものは」というお年寄りの言葉に、うんざりしてしまうことってありますね。
しかし、そんなことを口にしているお年寄りたちが小さいかった頃、若かった頃の昭和という時代は、マナー違反の連続だったと言います。
・最近の若いものは・・というけれど、新聞を見れば分かる、昭和の実態!
「昔の方がいいと言っている人がたくさんいるけど、実際は昔の方が酷かった」と語るのはコピーライターの大倉幸宏さんです。
大倉さんは古い新聞を読むのが趣味ということで、当時の新聞から取材し日本人のマナーやモラルについて赤裸々に記した本を出版されています。
昭和初期の新聞を見てみると、そこにはあっと驚くようなとんでもないエピソードがたくさん綴られています。
例えば、とある日の新聞には、ハイキングをする人が群集心理に酔って、窓から乗り込んだり荷物を投げ込むなどの粗暴な行為をしていることが綴られています。
乗客同士によるケンカも頻繁にあったみたいです。
列車の中で、席の奪い合いから殴り合いが始まり、さらに紳士と学生が血を流しながら格闘したことが記事になっています。
さらに、キレイに掃除した壁には痰がはきつけられ、鼻をかんだ紙なども巻きちらされていたというから、今考えればとんでもないマナーの悪さです。
・河川へのごみ投棄や銭湯、海外でのマナーも悪かった・・
河川へのごみ投棄は日常茶飯事だったようで、炭俵いっぱいに詰め込まれたゴミや古い屋根板などたくさんの不法投棄が続き役所も困っていた様子が綴られています。
さらに、男湯ではお尻を洗わず湯船に入る人がいたり、銭湯でお洗濯をする人も結構いたようです。
また、日本人の海外でのマナーの悪さも目立っており、特に酒グセの悪さが酷くて現地の人に絡んでしまうこともよくあったそうです。
映画『三丁目の夕日』のような美しい昭和のイメージとはだいぶんかけ離れた昭和の実態が新聞に残っています。
マナーやモラルに関しては、今の方がよほど改善されているようです。
・「子供はうるさい」というけど、昔はもっとうるさかったはず
子育てのやり方や環境も、ずいぶん変わりました。
昔は幼児だけで夕方まで出歩いていたり、皮膚病やしらみなども珍しくなく、兄弟の多い家庭も多いため泣いても放っておかれることがよくありました。良く言えばおおらか、悪く言えば今より放任されていました。
昭和前期に比べ、今の子供の方が、衛生管理はもとより、小さいうちからマナーを叩きこまれ、騒がないようしつけられている子が多いようです。
お年寄りは「子供の声がうるさい」と言い、保育園の建設にも反対する人もいますが、昔は自分も騒いでいたことを忘れないでほしいものです。
Photo by N Stjerna