世界的に給食費の滞納が問題となっているようです。
日本でも各家庭のさまざまな事情により給食費を支払えない家庭もありますが、給食を食べられない子どもやメニューが他の子と違うといったことはありません。
しかし、海外では給食費の滞納で、ランチが食べられない子どももいるのだそうです。
・親が給食費を払えず温かいランチを食べられない生徒の涙を見た給仕係は・・
アメリカのペンシルベニア州の小学校で給仕スタッフとして勤務していたステイシーさんは、学校側の新しい規則により、辛い思いをすることになります。
「親がランチ代を支払っていない子どもには、ホットミールを拒否するように」と指示が出たのです。
この学校では、ランチの時間になると温かい食事が提供される食堂に子どもたちがやってきます。
レジに並ぶ子どもたちはIDカードを見せるのですが、それをスキャンすればランチ代が滞納されているかどうかが分かるようになっています。
温かいホットミールはサンドイッチよりも値段が高いために、毎月の支払いが滞っている家庭の子どもには、食べさせないという厳しいルールを決めたのです。
ステイシーさんは、何も知らずにお腹を空かせてホットミールをテーブルに運ぼうとする子どもに、「ランチ代が不足しているから、あなたはホットミールが食べられないの」と言わなければいけなかったのです。
ある男の子は、ステイシーさんの言葉に、「サンドイッチならいい」と拒否し、みるみるうちに目に涙を浮かべたと言います。
その姿を見たステイシーさんはこれが原因で、2年務めた給仕スタッフの仕事を辞めたのです。
・学校側の言い分は・・
ホットミールを食べさせてもらえないこと、そして親がランチ代を滞納していると恥をかかされたことで、男の子にはとても辛い思いをしたことでしょう。
しかし、このような残酷な規則を作った学校にも言い分はあるようです。
ランチ代を滞納する家庭があまりにも増え、学校側への借入額も相当な金額になったそうです。
厳しいルールを決めることは、子どもにはかわいそうなことでしたが、これにより滞納額も徐々に減ってきたと言います。この方法はある意味、成功しているのかも知れませんが、それでも子どもには非常に残酷な方法です。
低収入の家庭の子どもは、給食費が免除の学校もあります。
いくらなんでも、親がランチ代を支払えないことのしわ寄せが子どもに行くのはかわいそうです。
Photo by U.S. Department of Agriculture