昔は「出産すると老化する」と考えられていたようですが、その反対の調査結果が発表されました。
●「女性は、子どもをたくさん産むと、老化が遅くなる」
そんな嬉しい研究結果が発表されました。
この調査を行ったのは、カナダ、サイモン・フレイザー大学。
どういうことでしょうか?
簡単にいうと、
「子どもをより多く産んだ女性は、子どもの数が少ない女性よりも、『テロメア』が長い」
という調査結果が出たのです。
●『テロメア』の長さ=若さ
『テロメア』とは、『細胞分裂の回数券』のようなものです。
全ての細胞、遺伝子の中にあり、染色体のはじっこについています。
生まれたばかりの赤ちゃんは『テロメア』が長く、この先何度も細胞分裂できますが、成長して細胞分裂をするたびに、1回ごとに『テロメア』がだんだん短くなります。
そして、死ぬ直前の老人は『テロメア』がほとんどなくなってしまっています。
つまり、子どもは肌がぷるぷるで、体の回復力も高いのに、年をとると体がしわしわで治りにくくなるのは、テロメアが短くなっているからなのです。
若返り研究とは、この『テロメア』をどれだけ長くするか、ということがキモで、多くの科学者が挑戦している永遠の課題なのです。
しかし、まさか子どもを産むだけで『テロメア』が長くなるなんて…!
●妊娠すると若返る!?
その理由はまだ解明されていませんが、仮説の一つに、妊娠中に女性の体内に放出されるホルモン『エストラジオール』が、『テロメア』を守って活性化してくれる効果があるということがあげられます。
…そうなんだ、そんなことも知らずに妊娠してた。『エストラジオール』、できるなら産後も浴びていたいですね。
子育て中は寝不足や、慣れない修羅場をいくつも経験し、「わたし、やつれたな」「3歳くらい老けたかも…」とげっそりする場面も多いので、不思議な気もしますね。
でも確かに子どもと触れ合っていると、パワーをもらったり、新しい発見をして、気持ちが若々しくなる経験もあります。
(子どもにパワーを奪われることも多々ありますが…笑)
子どもを産んで大変なこともあるけど、こんないいこともあるんですね。
<出典>
PLOS
Photo by Shauna Hawkins