秋田県といえばなまはげ、という方も多いほど有名ななまはげですが、テレビで見て怖い思いをした方もいるでしょう。
実際に自分の家になまはげが来たらどうしようと泣いてしまう子どももいるようですが、イヤイヤ期で手を焼かされる子どもになまはげは効果的なのでしょうか。
●なまはげとは
なまはげは秋田県内でも男鹿市と三種町、潟上市の一部でしか行われていません。
伝統的な行事ということから秋田県全域で行われていると思う人も多いのですが、本来は小正月に行われていたもので、現在は大みそかに行われている国の重要無形民俗文化財です。
山の神々の使い、というのが正しい認識で鬼のような姿をしていますがもともとの意味は冬、囲炉裏にあたることでできる低温やけどのナモミやアマを向いて怠けている人を懲らしめる、災いを払うことで祝福するということが由来です。
ですからなまはげ自体は非常にいいものですし、悪い子はいねがーという掛け声も悪いものをいさめる意味があるのです。
●なまはげの効果
なまはげに近寄られて、泣き叫ぶ子どもたちの姿が印象的なため、なまはげはよく児童虐待だという人がいますが、教育効果の方が高いと現地の人は言います。
というのもなまはげは家にずかずかと入ってくるのではなく、前もって行くかどうかを伺い、来てくれと言われた家だけに訪問する、さらに子どもの何を叱ってほしいのかを聞き取るからです。
なまはげは本来、家族の大切さを教える行事であり、子どものころになまはげを体験した人からトラウマになった、悪夢を見るようになったという声はありません。
これはイヤイヤ期と呼ばれる2歳くらいの子どもにも効果があり、3歳、4歳へ向けて自立していくにつれ、わがままを抑えること、強調し合うことを教える意味もあるのです。
Photo by Evan Blaser