子どものためという理由はあるものの、0歳児教育や幼児教育など子どもに勉強させるのは早ければ早いほど良い、と考える傾向が高まってきています。
しかしフィンランドでは、これとは全く正反対の教育方針の幼稚園が存在し、幼稚園で過ごす児童たちは、1日のほとんどを遊んで過ごすといいます。
●早くから勉強すれば良いということはない?ある幼稚園が遊びを優先する理由
フィンランドは子育てや教育に関して独自のスタイルがあり、それを国が推奨し、国民も素直に受け入れています。
受け入れるという事は納得できるからこそなのでしょう。
フィンランドのある幼稚園では、アメリカの園児のようにワークシートを使うことなんてなく、ほとんどの時間を遊びに費やすといいます。
フィンランドのとある公立幼稚園では、子どもたちが幼稚園で過ごすのは1日4時間ほどです。
この幼稚園をフィンランドに住むアメリカ人教師のティム・ウォーカー氏が訪問し、気づいた事を紹介しています。
8月の朝、学校へと足を運ぶと5歳から6歳の男の子たちが霧雨の中幼稚園をジグザグにパトロールしていました。
私はスチール製の玄関をくぐりましたが、地面を見つめる子どもたちは誰も目をこちらに向けようとしません、みんなシャベルで泥遊びするのに夢中です。
何をして遊んでたの?と聞いてみると「ダムを作ってたんだよ」と3人の子どもたちが口を揃えて言います、先生は「他には?」と質問しました。
すると「他には何もしてないよ」と答える子どもたち。
子どもたちの答えに対し、先生は「子どもたちは1日を通して『遊ぶ』ことから多くのことを学びます。みんな自分のしていることにとても興味を持っているので、それが学習だということにも気付かないんですよ」と答えたそうです。
教育委員会のアリヤ先生も、「遊び」は最新のカリキュラムの中でも特に注目するべき項目だと強調しています。
子どもたちが遊びを楽しんでいる時には、認知的、社会的、感情的、および身体的にも、学習に対するモチベーションが高まる事が確認されている事を見ても、遊びが重要である事がわかります。
Photo by lady_lbrty