「イスラム国」の男たちが、イラクのヤズディ教徒の女性を拉致しましたが、女性は幼な子を抱えて命がけの脱出することができました。
その、とても稀なケースをご紹介します。
●幼な子抱えて命がけで脱出、イスラム国に拉致された女性・・
アムシャアリさん20歳は、少数宗教ヤズディ教徒で、イラク北西部のシンジャルで暮らしていました。
しかし、ある日、武装組織のイスラム国、ISが、この地域の町や村を襲撃、命からがら、アムシャさんは、夫と、まだ幼い息子を抱えて逃れます。
しかし、途中で戦闘員に捕まり、夫や他の村の男性たちは射殺されてしまいます。
●女性たちを性奴隷として売買
女性たちは、大都市モスルに移送され、大きなホールに監禁されました。その時、すでに別の地域から集められた女性たちでホールは溢れていたと言います。
イスラムでは、姦淫は禁止ですが、結婚をすればかまわない、ということで、ヤスディ女性をイスラム教に改宗させて結婚相手にしたり、奴隷として売買の対象にするのです。
同郷の女性が次々と自殺する中、ヤスディさんは、幼い子どもとお腹の中にいる子どものために、死ぬことは思いとどまります。
●決死の脱出
ヤスディさんも、幼い子どもと一緒に無理やり、イスラム国の男と結婚させられ、妻としての生活を強いられます。
しかし、ヤスディさんは、2週間後、脱出を図ります。
男が寝ている隙に、子どもを抱えて外に出たのです。
捕まれば確実に殺されますが、それでも彼女は覚悟を決めていたと言います。
●今も奴隷となっている女性たちは1000人以上
夜明け頃、通りにいた男性に助けを求め、彼女達は、その男性の家にかくまってもらうことができました。
そして、彼の手配により、安全なクルド自治区にまでたどり着くことができ、親戚とも再会できたそうです。
拉致から一年たった彼女の表情には、徐々に落ち着きも戻っているようで、夫との間にできたお腹の子どもも無事に生まれたと言います。
彼女は奇跡的に脱出することができたが、このような女性は今でも1000人以上いて、イスラム国空爆に巻き込まれて一緒に爆破されているのです。
女や子どもをモノのように略奪して、売り買いしているのがイスラム国です。
決して許すことはできないですね。
<出典>
http://www.asiapress.org/apn/archives/2015/11/27130000.php
Photo by Adam Selwood