IQが高いと天才と呼ばれ、もてはやされますが、IQが高すぎると人とは違う行動を取る傾向があります。
どこのクラスにもいる、ちょっと変わった子を言う子、授業中無駄口が多いか寝ているかのどちらか、だらしなく優等生とは思えないのに妙に成績が良い、こういう子どもは大抵クラスで浮いた存在になります。
でも実はこれが高すぎるIQならではの特徴だったとしたら、少し見方も変わります。
●IQが高いから優等生とは限らない
IQが高ければ勉強もできてテストの成績も良いから、いい学校に進学してエリート街道まっしぐらというイメージがあります。
実はフランスでは知能指数が高い子ども達の50パーセントが学業的に失敗しています。
フランスでは定期的にメディアでも取り上げられるようになってきた問題として、注目されているのです。
天才的な能力がある人を、フランスではSurdoue(天才)と言います。
高いIQを持つ子特有の理解や反応の違いの差からくる言動などでどうしても浮いてしまうことがあり、フランスでもそうですが、特にみんなと同じであることを求められる日本だとなおさら、「みんなとなかよく集団生活が出来ない子どもは問題だわ」などと言われてしまいます。
そのため実際、IQが高すぎる子ども達は、苦悩している子が多いのが現実です。
理由としては、クラスの子と比べて早く理解するので、分かっていることを何度も繰り返し言われて、授業がつまらなく感じてしまい、その結果、ヤル気を無くしたり、授業中居眠りや手遊び、おしゃべりが過ぎて先生には目の敵にされたりします。
クラスの子と考え方が違ったり、理解力が違ったりなどで孤立することが多く、その結果、友達もいない状態で、学校生活が嫌になったり、いじめられたりされてしまいます。
ADHDやアスペルガーなどの障害をもっていたりする場合も多く、人と違うというだけで変人扱いされてしまうのです。
●天才児向けのサポートが手薄なフランス
アメリカでは優れた才能を持つ子どもには、それを伸ばすために特別な取り組みをしますが、フランスではこういった取り組みは行いません。
最終目標は、同じ境遇の子どもと勉強することで自信を取り戻し、差がある部分を強化して、普通の学校に戻る準備をすることだと考えています。
これは飛び級の制度がない日本も、フランス同様、天才児が浮いて苦しむ傾向があると考えられます。
Photo by Anne Cunningham