保育園や幼稚園に入って、親と離れたところで友達と遊ぶようになると、子どもの社会はぐんと広がります。
新生活に慣れてくると同時に、ケンカなどのトラブルも増えてきます。
わが子に傷を見つけて、親の見ていない場所で、どんな目にあっているのだろうか、先生はどうフォローしてくれたのかと、モヤモヤすることも少なくありません。
●0~2歳のトラブル
まだ言葉で伝えられずに、気に入らないことがあると、奪う、叩く、噛みつく、引っ掻く、押し倒すなど、暴力になってしまいがちです。
瞬時に、いきなり行動に出るため、先生が見守っていても、防ぎきれないのです。
●3~6歳のトラブル
しゃべれるようになって、忍耐力や、想像力が養われてきます。
言葉で伝えたり、順番や交換条件などで融通できるようになってきます。
しかしまだまだ自律する力が弱かったり、相手が理解してくれないなどで、とっさに暴力に訴えてしまうことも。
またお友達と集団遊びができるようになってくると、仲間外れや、言葉でのケンカ、大事なものを攻撃するなど、トラブルの内容が変わってきます。
●先生の対応にモヤモヤ?
園では無用なトラブルを避けるため、あえて相手の名前を出さないことが多いようです。
子ども同士はケンカのあとすぐに仲良しになれるけれど、親同士はギクシャクしたわだかまりが残ってしまうからです。
子どものおしゃべりが上達してくると、本人が話すため、先生も誤解のないように詳細に説明してくれるケースが多いようです。
また年齢によって原因やケンカの内容が変わってくるため、先生も対応を変えています。
小さいうちはケガにつながるため、トラブルを未然に防ぐために目を配っています。
しかし、大きくなるにつれ、すぐには介入せず、大人が仲裁するタイミングを見計らって見守ります。意志の違う仲間同士、自分たちで話し合って問題を解決する方法を学ぶためです。
親としてはすぐになんとかしてほしいとモヤモヤするかもしれませんが、小学生、中学生になって、人間関係がもっと複雑化する前に、大人に頼らずに「うまくいかない時に解決する力」「正しいケンカのやり方」を学んでおくことは、とても大切なのです。
●ケンカはお互い様
わが子がケガをさせられると、つい親としては感情的になってしまうものですが、どんな大人しい子でも、加害者にも被害者にもなり得るのだということを忘れないでください。
●「ケンカしちゃだめ」と言わないで
ついトラブルを避けたい気持ち、他のママの手前、ケンカをさせないように言ってしまいますが、ケンカしちゃダメは、自己主張してはダメと同義なのです。
子どもたちが人間関係を学ぶ機会を奪ってしまわないよう、ママ自身もぐっと我慢して見守る努力をしたいものです。
Photo by Sharon Mollerus