アメリカのカリフォルニア州に住む、バンクさんとレイシーさん夫婦は、結婚して8年以上経過している夫婦です。
8年が経過してもお互いに愛し合っているご夫婦なのですが、実は大きな悩みがありました。
子どもがほしいと思っていながら、二人の間には8年間も子どもが授からなかったのです。
不妊治療も行いましたが、不妊の原因は分からぬまま、不妊治療の挙句妊娠の傾向が見られても流産してしまう。
レイシーさんは不妊の不安に加え、流産を何度も経験する苦しみも味わっていたのです。
●不妊に悩む夫婦のもとに現れた赤ちゃん
妻の不安や苦しみを見て心を痛めた夫のバンクさんは、養子縁組を行なうことを決意。奥さんと良く話しをして養子を迎えることにしました。
養子縁組のサイトに登録し、何度もカウンセリングなどを行って、ついに一人の赤ちゃんを養子として迎え入れることが決まりました。
初めてわが子となる赤ちゃんを抱きしめた二人は、この子にフィンリーと名前をつけ、サプライズで親や友人達にお披露目することにしました。
8年間も子どもができなかった夫婦にも、その夫婦を心配して見守り続けていた周囲の人たちにも、フィンリーを見た途端、みんなの顔に笑顔があふれました。
驚きで大きな口を開け、声を上げる人や
驚きのあまりわなわなとふるえてしまう人まで
でも全員、感動と喜びの涙をにじませ、夫婦と赤ちゃんを抱きしめます。
みんながフィンリーちゃんを夫婦の子どもと認め、そして夫婦に子どもができたことを心から喜んだのです。
それほどまでレイシーさんやバンクさんも周囲の人から愛されていた証拠です。
子どもがほしいと願いながら様々な苦労を味わい、ようやく出会えたわが子は、彼らにとっては実の子以上にかわいい存在であるのです。
これまでの長い道のりや、辛い治療、悲しい経験を知っていたからこそ、その喜びも一緒に分かち合えるのですね。
これからも彼らには、家族としての様々な困難や試練が待ち構えていることと思います。
しかし、彼らならどんな困難も乗り越え、実の家族以上に愛の深い家庭を築き上げることができると思います。
なぜなら夫婦と子どもの関係だけでなく、彼らには自分たちを家族のように心配してくれる仲間たちがいるからです。
困難を乗り越える時は本当に辛いものですが、皆と協力し合いながら困難を乗り越えたときには、深い愛情と絆、そしてどんな困難にも立ち向かっていける力を兼ね備えているのですね。
<出典>
Photo by Barney Moss