平和とスポーツの祭典オリンピックを目指すアスリートはたくさんいますが、同時に開催されるパラリンピックを目指す方も多いです。
中国に住む女の子がなぜパラリンピックを目指すようになったのか、その過程をご紹介します。
・下半身がボールだった女の子の運命
中国雲南省に住むチェン・ホンヤンちゃんは3歳の時に大型トラックによる事故で下半身を失いました。
母親のジョウ・ファンピンさんは事故のとき道路の反対側にいたため何もできなかったこと、小さい我が子がタイヤの下敷きになったときの恐怖感は今も忘れることはできないと言います。
事故後、医師は両足や下の肋骨を切断しなければホンヤンちゃんは助からないと判断しましたが、家庭が貧しいため補装具の購入ができませんでした。
そこで祖父は2枚の木の板にハンドルを付け、バスケットボールを胴体に装着し足代わりにしたのです。
・ホンヤンちゃんに起こった奇跡
ホンヤンちゃんはバスケットボールの少女と呼ばれながら懸命に生き、その姿が世界中へ配信されました。
そして12歳になったとき、中国中の人々の寄付金によってホンヤンちゃんは体に合った補装具を手に入れることができました。
その後中国で始めてできた障がい者の水泳チームに入り、2009年には中国の全国大会で優勝をしました。
そこから彼女の躍進は始まり、100メートル平泳ぎを制するまでになったのです。
最初は沈んでしまい全く泳げなかったホンヤンちゃんは今も毎日4時間のトレーニングを積んでいます。
小さいころバスケットボールを履いているから靴下も靴も必要ないと母親の涙で悟った少女は新しい体を手に入れてこれ程までの選手に成長しました。。
もちろんリハビリや訓練は想像以上の厳しさでしょう。
しかし彼女は今も夢であるパラリンピックを目指して日々トレーニングしています。
また、プールから出るときは慣れ親しんだボールの方が楽だと今もバスケットボールをもちつづけ、多くの人への感謝の気持ちとともに泳ぎ続けています。
Photo by Youtube/Brandee Floella