未知の病気を抱えて生まれてきたペイ・シャンちゃんは、見かけは愛らしい赤ちゃんなのですが実は17歳の少女です。
原因不明の病気で、通常の子どものようには成長できず、赤ちゃんのまま成長が止まったペイ・シャンちゃんですが、夢を持ちつづけたひたむきな人生は、私たちに大切なことを教えてくれます。
・可愛らしい小さな赤ちゃん、でも本当は17歳の少女だった!
ペイ・シャンちゃんの両親は、他のママやパパと同じように、赤ちゃんが生まれてくるのを楽しみに待っていました。
待望の赤ちゃんが生まれ喜びに浸ったのもつかの間で、ペイ・シャンちゃんは誕生して3か月後に成長が止まってしまいます。
何年という月日が過ぎてもペイ・シャンちゃんは、いつまでも赤ちゃん特有のぷにぷにとした脂肪がついていて、おむつもつけなければならず、赤ちゃんのままです。
また、排気量が制限されるので、酸素マスクも必須です。
両親は、「出産前の幸せが、絶望の淵に追い詰められるような気がした」「私たちが前世でいったい何をしたのか?」と考える日々だったといいます。
彼女の母親は、お世話に専念するために、銀行員の仕事を辞め、タクシー運転手の父親の給料のみが収入源となります。
膨大な医療費に生活も困難になり、破産寸前にまで追い込まれたと言います。
・どうして私は他の子と違うの!?
ペイ・シャンちゃんが2歳の時、外に出れば特別な目で見られることを彼女自身が気づくようになります。
「どうして私は他の子と違うの?」と両親に尋ねたと言います。
両親は、「それがあなたの特別な個性なのよ」と答えたと言います。
ピアノ演奏が大好きだったペイ・シャンちゃんは、ピアノ演奏の夢を実現します。
またパパが大好きだったペイ・シャンちゃんは父の日のメッセージカードを、心を込めて書いています。
ひたむきに生きた彼女でしたが7月に病状が悪化し、呼吸障害の処置としてモルヒネ注射を打った後、両親に看取られながら穏やかに息を引き取ったそうです。
17年という短い生涯は、いつも危険と背中合わせだったものの、彼女はいつも前向きでした。
どんなに大きな壁が押し寄せても挫折しても、諦めないで前に進んでいかなくてはいけないと、ペイ・シャンちゃんが教えてくれています。
Photo by Florence Chew