妊娠をしたら定期的に産婦人科で超音波検査が行われ、妊娠6か月くらいにもなれば、赤ちゃんの性別も分かります。
ママやパパは毎回この超音波検査でお腹の中の赤ちゃんの様子を見ることが出来るので、楽しみにしているかと思うのですが、この時あるはずもないものがついていたらどう思うのでしょう。
アメリカに住む妊娠中の女性のお腹の赤ちゃんには、なんと大きな腫瘍が出来ていたそうなのです。
・誕生日が二つ!?胎児に大きな腫瘍が!
アメリカテキサス州に住むケリーという女性は、妊娠23週目を迎えたある日、夫のチャドと4人の子ども達と一緒に、超音波検査を受けに病院に行きます。
家族みんなでお腹の中の赤ちゃんの性別を教えてもらうためです。
しかしそんな楽しみにしていた超音波検査で、あるはずもないものが見つかってしまうのです。
なんとお腹の中の赤ちゃんには、とても大きな腫瘍がくっついていたと言います。
その大きさはグレープフルーツくらいもあったそうですから、かなりの大きさです。
さらにその大きな腫瘍には血液も流れており、そのため胎児の方に十分な血液が届いていないことも分かりました。
そのままにしておけば、腫瘍は胎児の命に危険を及ぼしてまで成長を続けるのは間違いありませんでした。
このような腫瘍が出来る確率は4万分の1というから非常に珍しいことで、担当医もこのようなことは初めてのことでした。
しかし、生まれてくる前にお腹の中で腫瘍を摘出する手術はできることを、担当医はケリーとチャドに伝えます。
胎児が助かる可能性はわずか10%でしたが、そうするしか他に手だてはありませんでした。
・医学の発展により、見事、胎児から腫瘍が取り除かれる!
ケリーのお腹から子宮が丸ごと摘出されて、胎盤を傷つけないように注意しながら胎児の頭部だけを子宮の中に残したまま、身体の8割ほどが外に出され手術が行われたそうです。
子宮が反応して出産を始めてしまわないように、完全に胎児を母体から出さなかったのだそうです。
長時間に及ぶ難しい手術により胎児から腫瘍が無事に取り除かれ、そして再び胎児は母体に戻されたのだそうです。
こうして半分だけ母体から離れて再び戻された赤ちゃんは、それから妊娠が10週間続き、そして元気に生まれてきました。
生まれてきた赤ちゃんの背中には大きな傷あとがあるものの、それ以外はどこも問題はなく、健康に成長しています。
医学の進歩によって誕生日が二つ!?ある赤ちゃん、これからも元気に育ってほしいですね。
Photo by Christian Scheja