医療の発達とともに未熟児で生まれた赤ちゃんの生存率も上がっています。
1000gに満たず生まれてくる赤ちゃんがいる中で、無事に成長するというのは喜ばしいものです。
ご紹介するのはわずか652gで生まれた赤ちゃんが20年後についた職業についてです。
・わずか652gで生まれた赤ちゃんの運命
ソフィーさんがこの世に生を受けたのは24週の時、明らかな早産でした。
イギリスのニューカッスルにある産婦人科で生まれた未熟児、しかも当時最も小さい赤ちゃんということで世界中に報道されました。
心臓や眼に障害があるため手術が必要で、肺炎にもなり毒素は血液を巡って数カ月もの間、死と戦い続けました。
しかしソフィーさんは無事に回復し、様々な病気に打ち勝ってきたのです。
ソフィーさんは病棟の医師や看護師のおかげで自分は今生きていられる、そのことに感謝していると言います。
そんなソフィーさんは成長するにつれ、自分もいつか看護師として未熟児の赤ちゃんに寄り添いたいと思うようになったのです。
・20年後、生まれた病院へ
ソフィーさんは20歳になると看護師見習いとして自身が生まれた病院のロイヤルヴィクトリア新生児特別病棟で働き始めました。
20年ぶりに病院に入ったソフィーさんでしたが、自分が育った保育器の横に立つことが不思議だと言います。
しかし自分の命を救ってくれた医療チームの中で働ける、夢がかなったと喜んでいます。
現在の医療では22週で生まれても救うことができると言われています。
それでも未熟児で生まれた赤ちゃんとその家族が戦い続けていることに変わりありません。
赤ちゃんの命をつなぐということ、その大変さをソフィーさんは今身を持って体験しているのです。
またソフィーさんが生まれたときに立ち会った医師のニック・エンブルトンさんも働いており、ソフィーさんとの再会を特別なギフトと喜びました。
自分たちが必死にケアして退院していった赤ちゃんが無事に成長し、その姿を目の当たりにする上に一緒に働くことができるというのは本当にうれしいことなのです。
チャリティー団体の大使としても6歳から活動しているソフィーさんは今後も多くの赤ちゃんの命を救うことでしょう。
Photo by Sander van der Wel