耳が聞こえないというのは想像するだけでも怖いことですし、生まれながらにその障害を背負ってきた子供を育てるというのは大変なことです。
アメリカ合衆国のアイダホ州に生まれたアナベルちゃんもその一人ですが、彼女に奇跡が訪れたのです。
・生まれながらにして聴覚を失った少女
新生児のうちに受けた聴覚検査で聴覚障害と診断されたものの、よくあることと医師に告げられ特に心配していなかったサラさんとタイラーさん夫妻はアナベルちゃんを連れて家に帰りました。
ところがいくら時が経ってもアナベルちゃんは音に反応する様子が見られません。
犬の吠える声、ドアのベルの音、ドアを連続で強く開け閉めしてもアナベルちゃんは全く反応しなかったのです。
これは、と思ったサラさんとタイラーさんは急ぎ病院へアナベルちゃんを連れていき再検査を受けました。
するとやはりアナベルちゃんの耳は聞こえておらず、聴覚障害と診断されたのです。
心の準備ができていなかったサラさんは落ち込んだものの、3カ月のある日、希望を見いだせる出来事が起こりました。
・アナベルちゃんが最初に聞いたもの
アナベルちゃんが3カ月になったある日、補聴器を付けることで音が聞こえるかもしれないということを聞いた両親はアナベルちゃんに補聴器を付けることにしました。
そしてサラさんがアナベルちゃんに話しかけると、アナベルちゃんは驚いた表情で振り返ったのです。
サラさんが収めた映像には音に反応してびっくりしたり、目を大きく見開いたり、相槌を打つ様子が映し出されています。
アナベルちゃんはサラさんの聞こえるか、ママが分かるか、ご機嫌いかがなどといった呼びかけに一つ一つ反応しました。
拍手をすればそちらを振り返り音のなる方をしっかり目に捉えたのです。
この日の衝撃、感動をサラさんは一生忘れることはない、大きくなったときに見せたいといいます。
今ではアナベルちゃんも音楽を聴いて寝返りを打つほどになったのです。
こうした先天的な障害を持ちながらも奇跡を目の当たりにするというのは感動的なことです。
Photo by Andrew Blight