出産の時期にもっとも予約してはいけないのは、旅行、特に海外旅行です。
予定日が近づいているのに海外に行く人は少ないと思いますが、赤ちゃんがお腹の中にいる間にできることをしたいと予定を詰め込み、臨月近くなってから旅行に出かける妊婦さんも少なくありません。
ではなぜ旅行は出産時期に避けたいのかと言うと、母体に非常に大きなストレスがかかることが多いからです。
たとえば移動ですが、おなかが大きくて身動きをとるのも普段どおりにできないのに、長時間車や飛行機に同じ姿勢で乗るということはストレスになります。
また飛行機のエコノミー症候群に代表されるように、ただでさえ静脈を圧迫されて下肢静脈瘤になりやすい妊婦さんは旅行中の移動によって下肢静脈瘤の可能性が高まってしまいます。
観光すれば気も晴れる、と思う方もいるでしょうが、観光するためにたくさん歩いたり、人ごみにまぎれてしまうのはお腹を圧迫したり、いつも以上の疲労を心身に与えてしまったりするのです。
また万が一旅行先で出血や陣痛、破水などが起こっても、かかりつけの病院では対処することができません。
陣痛、破水となればそのまま出産となってしまいますので、かけこみ出産と同じような状態になりますし、海外であれば言葉が通じないもどかしさがあり、診察が長引いてしまいます。
費用の問題も大きく、健康保険が適用される市町村以外で出産する場合は一時的に出産費用を自費で支払わなければなりません。
海外ともなれば、国によっては何百万というお金を請求されることもありますので注意が必要です。
旅行に限らず、人ごみや、かかりつけの病院からかけ離れた場所への予約は避けるべきですね。
Photo by Raissa Viza