●世界的に少なくなりつつある母乳育児
母乳で育てたいと考えてるママは、あきらめないで!
イオンやヨーカドーなど、国内の大型店には、カーテンで仕切られた授乳スペースがありますよね。
先進国の中でも、日本は母乳で育てる人が多いと言われており、母乳ママには心強い国のようです。
一方、欧米はミルク育児が多数を占めていると言われています。
さらに年々、世界的にも母乳育児の人が減っているので、母乳ママが少数派になってしまい、授乳する場所が見つからない、母乳で育てたいという希望が通りにくくなるということが懸念されています。
例えば、イギリス、アメリカ、オーストラリアなどでは「公然わいせつになる」との理由から「授乳したいならトイレで」と指示されるケースも増えているそうです。
空腹で泣き続ける赤ちゃんに、おっぱいを飲ませることもままならないとは、宗教などによる考え方の違いもあるのかもしれませんが、深刻ですね。
こんなことが重なり、各国の母乳ママたちが立ち上がって『授乳デモ』を起こしました。
政府に働きかけ、公共の場での授乳をする権利について訴えたそうです。
そのような活動が実ってか、スコットランドでは、<公共の場での授乳を批判する者には罰金を科せられる>という法律ができたほどです。
科学技術が進歩した反動で、原始的と思われがちな母乳が「わいせつ」と表現される状況はおかしいですからね。
●毎年8月1日~7日は「世界母乳育児週間」
8月1日~7日の一週間は、世界的に母乳育児を推進し、ユニセフもこれを支援しているそうです。
特に発展途上国などでは、安い栄養の少ない粉ミルクよりは母乳の方が栄養がよい場合が多く、母乳代替品の販売業者が間違った情報を広めて母乳よりミルクを選ばせることが問題視されています。
また、仕事をしているママが、母乳育児を続けられるよう、職場の理解を広めることも重要とされています。
育児中のママは、仕事中、授乳のために短時間、職場を離れる権利があるのですが、実際はなかなか取得できていない状況もあります。
世界には約8億3000万人の働くママがいますが、その大多数は、育児に対して職場のサポートを十分に受けていないそうです。
職場の方針を変えるために、国をあげて、母乳育児を推進してきた、という状況があるのですが、なかなか浸透していないようです。
もちろん、ミルクも、ママと赤ちゃんを支えてくれる大切なもの。
ですが、もし母乳育児が可能な環境なら、ぜひ遠慮せず、ママ自身の「おっぱいで授乳する権利」と、赤ちゃんの「母乳を飲む権利」を行使しましょう!
<出典>
Better workplace policies needed for breastfeeding
Photo by Raphael Goetter