先日、ある病院で、妊娠を理由にスタッフを解雇した院長のマタハラが問題になっています。
マタハラ=『マタニティーハラスメント』は、妊娠を理由に職場で、解雇や社員からパートなど雇用形態の変更など不利益な扱いを受けることをいいます。
●「妊婦はいらない。明日から来なくていい」
茨城県で、病院に勤める正職員の20代の看護助手が、妊娠したことを職場に報告しました。
すると院長が「妊婦はいらない。明日から来なくていい」と言って彼女を一方的に解雇したそうです。
看護助手は「まだ妊娠したばかりで、もっと働きたい」と訴えましたが、拒否されたため、茨城労働局に相談しました。
●院長の実名を公表
男女雇用機会均等法では、妊娠出産を理由に解雇することは禁止しています。
労働局はこの院長に口頭や文書などで繰り返し指導や勧告をしましたが、院長は解雇を撤回しませんでした。
「妊婦はいらない」「男女雇用機会均等法を守るつもりはない」と応じることがなかったため、厚生労働省はついに実名公表にふみきりました。
この病院は、茨城県牛久市の「医療法人医心会 牛久皮膚科医院」(安良岡 勇 院長)。
現在院長は体調不良で休診中で、連絡がとれない状況になっているそうです。
これまでもマタハラで不当な扱いを受けた女性はたくさんいますが、マタハラで事業主の名前を公表されたのは今回が初めてです。
●職場以外でも…妊婦さんに理解のない環境
仕事をしていない女性でも、こんな話が少なくありません。
・電車の中でお年寄りから「妊娠は病気じゃないから優先席に座るな」と言われた
・切迫流産なのに、家事を手抜きすると同居の義両親に嫌味を言われる
・つわりがひどいが、夫が何もしてくれないので、吐きながら夕飯の準備をしている
…など、妊婦さんに理解のない人がまだまだいるようです。
現在もマタハラで苦しんでいる女性がたくさんいますが、これを機に、妊娠、出産、子育てにもっと理解が広がって、子育てしやすくなるといいですね。
<出典>
産経ニュース
Photo by Michael Dorokhov