女性のホルモンバランスの変化というのは、自分でコントロールが効きません。
生理前後に感情が変化するのもホルモンバランスの影響です。
中でも妊娠と出産には、劇的なホルモンバランスの変化があるため、産後は多くの人が、情緒不安定に陥りやすいのです。
これが『マタニティブルー』と呼ばれる現象です。
せっかく赤ちゃんが生まれて嬉しいはずなのに、不安になったり、突然悲しくなったり、ささいな言葉で傷ついたり、怒りやすくなったり、自分でもばかばかしいと思いながら、どうにもならない感情に支配されてしまうのです。
『マタニティブルー』は、産後、50%の人が経験するといわれ、多くの人が、産後2~3週間で自然となくなっていきます。
ただし、人によっては悪化して、うつ病のような症状が出たり、実際に長引いて産後うつになったりする事があります。
一度うつ病になると、治療が長期化するので、『マタニティブルー』のうちに軽減できるのが理想です。
ホルモンバランスの変化は避けて通れない事ですが、自分がそうなるとわかっているならある程度は対処できます。
マタニティブルーを軽くし、産後うつに悪化させないようにするポイントは、ズバリ5つ。
●一人でがんばらない
何もかも自分1人で背負わない事です。
子どものためにいいお母さんになろうと考えるのは悪い事ではありませんが、いいお母さんの定義は人により違いますし、常に張り詰めていては精神的にも参ってしまいます。
●悲しいときは泣きましょう
悲しくなったら我慢せずに泣いてしまいましょう。また、わずかな時間で録りためたビデオや、感動DVDを見たり、好きな音楽を聴いて、思いっきり涙を流すと、ストレスがスッキリと解消されます。
泣くことは心のモヤモヤを開放しますし、涙には体内のストレスを洗い流す役目があるのです。
●家事はサボりましょう
家が散らかっても死にはしません。開き直って、上手に手抜きをしましょう。今日は家事をせずに休むのが仕事、と割り切りましょう。休息が大切だということは家族にも説明して、家事ができないことを理解してもらい、なるべくパパや家族に分担してもらいましょう。
●しっかり休みましょう
赤ちゃんが寝ている間に自分もしっかり寝ましょう。眠れなくても、横になって静かに目を閉じているだけで心と体が休まります。休む時はスマホも離して、ぼーっとしましょう。
ママの元気が、赤ちゃんの元気につながるので、とても大切なことなのです。
●誰かに甘える
甘えられる人がいたら甘えてしまいましょう。パパにおいしいごはんを作ってもらう、実母に愚痴を聞いてもらう、家族に大好きなデザートを買ってきてもらう、など。
育児中は自分の食事もままならないので、あいまにささっと食べられる簡単なもので済ませがち。でもちゃんと温かい一汁二菜の食事を作ってもらって、しっかり食べるだけでも、力がわいてきます。
一人でがんばらなくても大丈夫、甘えられる人がいる、と感じると、気持ちがほぐれ、自然と心が軽くなります。誰も頼れない時は行政のサポートを活用できます。
ホルモンバランスは時間の経過とともに少しずつ元に戻りますから、少しだけ頭の片隅にとどめておいてください。
Photo by Kelly Long