無脳症という言葉を聞いたことがありますか?
無脳症は赤ちゃんの奇形の一つで、胎児の頃から脳の一部または大部分が欠如している状態です。
日本では10,000人に5~10人ほど、発現するといわれています。
芸能人の大沢樹生さんのお子さんも無脳症で出生直後に亡くなり、話題になったことがありました。
これからお伝えするのは、奇跡的に無脳症で1歳を迎えた赤ちゃん、ジャクソンちゃんのお話です。
●妊娠中に無脳症と診断
あるアメリカの夫婦が、妻の妊娠中に、医師から「この胎児には脳が無く、死産になるか、生まれてもすぐに死んでしまうだろう」と診断されました。
妊娠を継続するか中絶するかの判断を仰がれ、夫婦はとても悩みました。
そんな時、とつぜん父親の頭に「わたしを諦めないで ‘Don’t give up on me.’」という赤ちゃんからのメッセージが浮かびました。
クリスチャンである夫婦は、これを受け止めて、どんな困難があろうとも出産するまで赤ちゃんのために力を尽くすことを決めたのです。
生きて産まれてくることすら難しい無脳症児。
ところが、2014年8月27日に赤ちゃんは奇跡的に無事に誕生し、病院の医師たちもみんな驚いたそうです。
この男の子の赤ちゃんはジャクソンと名付けられました。
産後3週間をNICUで過ごしたのち、両親の待つ自宅へ。
●24時間続く、自宅ケアと育児
とはいえ、重度の障害児なので、自宅でのケアと併せて、通常の育児まで行うママの困難は、想像を絶するものがあるようです。
24時間、呼吸や点滴などのケアも必要なケースが多く、わずかでも目を離せない状態の赤ちゃんなのです。
ママはジャクソンちゃんのために仕事を辞めました。
さらに毎月たくさんの医療費がかかり、家計を圧迫します。
それでもジャクソンちゃんとの生活は愛があふれ、とてもかけがえのないものだと両親は語ります。
両親はジャクソンちゃんの募金を募るため、Facebookで「Jaxon Strong」(強い子 ジャクソン)というコミュニティを立ち上げ、ジャクソンちゃんの現状をアップすることにしました。
https://www.facebook.com/WeAreJaxonStrong/
「Jaxon Strong」は、頑張り屋さんのジャクソンちゃんのニックネームでもあります。
また、募金だけでなく、ジャクソンちゃんの症例を今後の医学に活かしてほしいと希望しています。
●「パパ!ママ!」とおしゃべり。
脳がなくても毎日学び続けている!
1歳の誕生日直前にジャクソンちゃんが全く眠らなくなってしまうという深刻な状況を迎えたこともありました。
そんなふうに生存しているだけでも奇跡なのに、両親の愛情とケアによって、ついに1歳の誕生日を迎えることができたのです。
ニコニコ笑ったり、お気に入りのおしゃぶりをつかんだり、「パパ!ママ!」と呼ぶこともあるそうです。
生後ほとんど生きられないといわれている無脳症ですが、奇跡的に30歳まで生きた人もおり、どのように学ぶメカニズムがあるかわかっていませんが、足りない脳の機能を補う柔軟性が人間にはあるといわれています。
ジャクソンちゃんのパパは述べています。
「子ども自身が方法を選べない状況だったら、可能性や方法を用意できるかどうかは親にかかっている」
これからも両親の愛に包まれて、奇跡を重ねて、成長していくジャクソンちゃんが楽しみですね。
<出典>
MailOnline
Facebook「Jaxon Strong」