厚生労働省によると、ママたちの産後うつの発症率は、現在9.0%。11人に1人のママが発症しています。
誰でも経験する、産後のホルモンバランスなどによる『マタニティーブルー(産後ブルース)』がこじれて、悪化することで、治りにくい深刻な『産後うつ』になってしまうのです。
これに危機感を抱いたNPO法人の、ぼうだあきこさんは、ママたちを救うため「3・3産後 サポートプロジェクト」を進めています。
いちばんしんどい時期『産後』を3週間から3か月にしよう、というものです。
どういうことなのでしょうか?
日本では一般的に『産後の床上げ』は、3週間から1か月と言われていますね。
でも、ママたちが産後うつを発症する時期は、産後1~3カ月なのだそうです。
日本では妊娠や出産に関しては、赤ちゃんの命という観点から手厚くサポートされていますが、産後のママの心身をいたわるサポートが薄いのが現状です。
赤ちゃんと二人きりで、お産の傷を抱えながら、慣れない育児で心も疲弊していくママたちが多いそうです。
産後うつによるママの自殺も、定期的に起こっています。
最近では、今年2015年の3月に、35歳のママが生後1か月の赤ちゃんを道連れにして、飛び降り自殺したケースもありました。
精神的に追いつめられて起こってしまった、悲しい事件です。
共通していえることは、ママの周りのサポートさえあれば、産後うつは防げる、ということです。
一番近くにいるパパ、そして、おじいちゃんおばあちゃんたち家族が積極的にママを支えることで、産後うつになることを回避できるのです。
また、地域や企業も「ママが一人でがんばって当たり前」とするのではなく、取得できる産後休暇を延長したり、ファミリーサポートなどとして地域の子育てを応援してもらうなど、するなどの改善が必要なのです。
実際、「3・3産後 サポートプロジェクト」では、企業に対しても「赤ちゃんにやさしい企業5カ条」として、以下の内容を掲げています。
例えば、産後3か月のパパの育休取得/定時退社の促進、子育てがどれだけ大変か職場への学習理解を深める、孫育て休暇も導入、など。
「3・3産後 サポートプロジェクト」では、産後ママと赤ちゃんの笑顔が増える世界をめざして、家族、企業、地域に「産後サポートの必要性」と「サポート期間の延長」を伝えていくそうです。
本気で少子化対策するなら、みんなが子育てへの意識を変えないと、いつまでたってもママの負担ばかりが増えるだけです。
これから日本の常識が変わっていくといいですね。
<出典>
3・3産後サポートプロジェクト
Photo by Eric Bas