子どもの日といえば何を食べますか、と聞かれたら柏餅(かしわもち)か粽(ちまき)どちらかが出てくるでしょう。
●かしわ餅派 vs ちまき派
なぜ2つの食べ物が出てくるのかというと、関東と関西では子どもの日に食べるものが違うからです。
元々、端午の節句が中国から入ってきた平安時代にはちまきが一緒に伝わったのですが、庶民の間に端午の節句が広まった江戸時代、江戸ではかしわ餅が広まったのです。
つまり、現在子どもの日といえば関東はかしわ餅、関西ではちまきが食べられるということです。
●ちまきのルーツ
ちまきについてもう少し詳しく見てみると、2300年ほど前の中国にいた王宮詩人 屈原が陰謀により国を追われたとき、長編大作である離騒を発表しました。
その後、屈原は失望のあまり川へ身を投じてしまったのですが、それを嘆いた人々が川に供物を投げ込むようになったのです。
ところが龍によってその供物も食べられてしまったため、人々は竜が苦手な棟樹の葉でもち米を包み、邪気払いの五色の糸で縛って屈原に届けるようになったのです。
これが端午の節句にちまきを作る由来となり、こいのぼりの吹き流しの色にも五色は使われています。
●かしわ餅のルーツ
柏(かしわ)の木は、神社で「柏手(かしわで)を打つ」で知られるように、神様が柏に宿る木として古くから信仰されてきました。
さらに柏には新しい芽が出なければ古い芽が落ちないため、親は子どもが生まれるまで死なないということにたとえられ、子孫繁栄の意味があるとされてきたのです。
なお、柏餅の葉は表側と裏面を向いているものにわかれていますが、小豆餡は表を、味噌あんは裏を外に向けて巻くようになっています。
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