世界に目を向けると、夫婦共同で家事をする国と、夫は全く家事をしない国に分けることができます。
では夫が家事をしない国を調査すると、日本は世界で何位くらいになるのでしょうか。
●日本は世界1「夫が家事をしない国」
実は日本は、世界で1番「夫が家事をしない国」に該当することが判明しました。
日本には昔、「男子、厨房(台所)に入るべからず」という言葉があって、台所は女性の仕事場というように言われていました。
しかし、独り暮らしや共働き世代が増え、家事や料理をする男性が増えた現在、台所は決して女性だけの仕事場だけではありません。
しかしそんな現状にも関わらず、日本人の多くは、いまだに仕事をするのは男性で、家庭を守るのは女性、と言う考えが根強く、家事の分担も女性に偏っているというのです。
●男性の家事は2割未満
調査によると、配偶者がいて、18歳未満の子どもがいる男女が、1週間にどのくらいの時間を家事に割いているか平均時間を測ったところ、
・男性:12.0時間
・女性:53.7時間
と実に約5倍の差がついたのです。
この結果から、日本の男性の家事分担率は、わずか18.3%と、全体の5分の1未満しか家事を負担していないことが分かりました。
●世界ダントツの最下位
この調査は、33か国で行われたのですが、最も男性が家事に参加している国はスウェーデンで半分近くの家事を担っていたのです。
さらに33か国中、男性の家事の分担率が40%を超えた国は4か国、30%を超えた国だけでも27か国に及びます。
また32位のチリと最下位の日本の男性の家事分担率を比べるとその差は6.2%もあったのです。
●長時間労働が習慣になっているから
ではなぜこのような差が生まれたのかと言うと、男性の1週間の平均勤務時間が女性の2倍以上あるからということが言えます。
勤務時間の長い男性と、家事時間が長い女性の割合が比例するのはどの国も同じですが、その役割差が最も大きいのは日本なのです。
さらに、日本社会は早く帰りにくい、残業している人に合わせなければいけないという、独特の風潮があって、せっかく法が整備されても、無駄な長時間労働がなかなか減らないという現実もあります。
●男性が家事をしないのに、女性が社会で男性と同じように活躍できるのか?
現在、女性が活躍できる社会づくりをと叫ばれていますが、男性が家庭に入ってこない限り実現は難しいだろうと言われています。
ほかにも待機児童問題や小1の壁問題など、子育てに関する様々な問題が取りざたされていますから、一つ一つ問題をつなげて解決していかなければ、日本が男性が家事をしない国最下位から脱出することは難しいでしょう。
<出典>
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/03/post-4607.php
Photo by Engledow Jenni