「このまえ、駅で突然叫んでる人がいたの、超こわい!からまれたらどうしよう」
…そんな体験をしたことがある人が多いのではないでしょうか?
叫ぶ人たちは、なぜ大声を出してしまうのでしょうか?
障がいを持つ人たちは、決して好きで迷惑をかけようとしている訳でなないのです。
彼らがどれだけ日々の生活で苦労しているのか、わかりやすく疑似体験できる動画をご紹介します。
●「自閉症の子どもが見ている世界」をわかりやすく再現した動画
これを見るだけで、きっと自閉症の子どもたちへの考えが変わるはずです。
自閉症の子は、私たちが普段何気なく見ている世界とは、まったく違った風景が見えています。
思いもよらない刺激にあふれた風景が、自閉症の子の目には映っています。
こんな風に世界が見えている、どうして叫んでしまうのか、何がつらいのか、少しでも理解するための映像があります。
ママと一緒にショッピングセンターに買い物にきた自閉症の男の子がこの動画の主人公です。
ショッピングセンターの中の何気ない日常の風景ですが、彼の目にどのように映っているのか、がとても分かりやすく表現されています。
ゆらゆら揺れるキャラクターが視界に飛び込みます。
かすかなフラッシュ光が、脳内にパチパチと入ってきます。
商品の鮮やかな色の洪水。ギラギラと神経を逆なでします。
他人の服の模様が、こっちを睨んでいるみたい…。
コインが床に落下する音が、脳内に響きます。
ビニール袋がこすれる、わずかな音も、彼にとっては、不快な大音量で耳に残ります。
男の子の心臓はドキドキと高鳴ります。
カラフルな風船の揺らめき、ギシギシと摩擦する音、知らないおじさんの笑顔も不気味。
男の子の呼吸は浅くなり、はあはあと、苦しそうです。
化粧品売り場で漂う香水の強烈な香り。
強烈な刺激の連続で、おかしくなりそう。
自分の気持ちを落ちつけようと、「1、2、3…」と繰り返し自分の指を数えています。
足元だけを見て、刺激が入らないよう、精一杯がんばります。
ふと目を挙げると、並んだテレビモニターの光が、またたきながら目に飛び込んできて、男の子はパニックに。恐怖で押しつぶされそうだったギリギリの精神状態が限界を迎えてしまうのです。
ついに男の子は声をあげて、暴れだしてしまいます。
そんな男の子を周囲は冷ややかな目で見るだけ。
「僕は悪い子なんじゃない。自閉症なんだ。
自閉症にとって、世界は恐怖にあふれている場所。
時々、頭が爆発してしまいそうな音が聞こえたり、服が肌に焼きついてしまうように感じたり、いつもと何かが違うとこの世の終わりのように感じるんだ。
自閉症を理解してください。」
●およそ10人に1人が自閉症
こだわりが強い、コミュニケーションが困難である、といった特徴がある自閉症は、100人に0.9人という発症率で、何も特別な障害ではありません。
日本でも、テレビ番組で特集されるなど、その認知度は広がりつつあるものの、まだまだ、馴染みのない人も多く、偏見のまなざしで見ている人もいます。
4月2日は、国連が定めた「世界自閉症啓発デー」。
自閉症を世界中の人たちに、少しでも理解してもらうための日となっています。
そして、それを目的に、自閉症の子どもに見える世界を表現した動画が公開されたのです。
この動画は、英国自閉症協会によって制作されたもので、YouTubeに投稿されているので、いつでも見ることが出来ます。
彼が見ている世界を知れば、そんな冷たい目では見られないはずです。
自閉症に対して、みんなの理解が進み、自閉症を抱えた人たちが安心して暮らしやすくなることを望みます。
<出典>
https://www.youtube.com/watch?v=Lr4_dOorquQ